ECサイトや企業ホームページで、チャットボットのポップアップを見ることが増えました。現在、AIが質問に答えるチャットボットの普及が進んでいます。
実はチャットボットにはAIによって運用されるものだけでなく、他にも種類があります。今回はチャットボットの基礎知識や、AIチャットボットを導入するメリットについて解説します。
最後には失敗しない導入方法や、上手に運用するコツについても説明するので参考にしてください。
海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、15年間にわたって日本市場へローカライズしてきたCBAが解説します。
チャットボットの基礎知識
チャットボット(Chatbot)とは、チャット(chat)をロボット(bot)が実行するプログラムのことです。テキストによる「自動会話プログラム」と呼ばれることもあります。日本では2016年頃から本格的に採用されています。
チャットボットの種類
チャットボットには二つの種類があります。
- AIチャットボット
- シナリオ・チャットボット
AIチャットボットは、AIが自ら学習と判断をしつつチャットするタイプです。シナリオ・チャットボットは、あらかじめ決められたシナリオに沿ってチャットをするタイプになります。
AIチャットボットとシナリオ型チャットボットの違い
AIチャットボットは膨大なデータを基に自己学習をし、柔軟な回答をすることが可能です。ユーザーの話ことばやクセを認識しながら対応していけます。質問に対する回答だけではなく、ユーザーの動向を分析してチャットボット側からサービスを提案することもできます。フリーテキストに対応できるため、顧客満足度が高いことが特徴です。
一方、シナリオ・チャットボットは想定されている定型文の中だけでしか対応できません。たとえば「ご用件はなんですか」との問いに、「今月の請求額」「資料請求」「製品に関する質問」などのメニューから選んで会話を進めていくタイプです。
よくある質問に対応することが得意なチャットボットです。対応に限界はありますが、プログラムがシンプルなので導入が簡単という利点があります。
AIチャットボットのメリット
シナリオ・チャットボットとAIチャットボットにはそれぞれ異なった特徴があります。ここでは最近のトレンドになっているAIチャットボットのメリットを掘り下げて考えます。メリットを知ると「AIチャットボットがなぜ評価されているか」がわかってきます。
メリット1. 負担軽減
AIチャットボットを導入するメリットは、人の負担を軽減できることです。カスタマーサポートデスクやヘルプデスクの担当者が24時間365日、顧客対応をするのは大変です。とくに深夜、週末祝日の担当者には負担がかかります。しかしAIチャットボットであれば問題ありません。
さらにコストの負担を軽減できます。ある試算ではお客さまからの電話対応に1日2時間費やすと年間で120万円のコストがかかるそうです。AIチャットボットを活用することで人が対応していた2時間分のコストを軽減していけます。
メリット2. 顧客とのタッチポイント増加
「待っても待ってもつながらないカスタマーサポート」は顧客とのタッチポインを減らしてしまいます。しかしAIチャットボットを導入すれば「いつまでも待たされる」「返事が遅い」といった不満を解消できます。一般的な質問はAIチャットボットで対応、解決しない問題だけを有人オペレーターが対応するからです。
AIチャットボットは企業サイトやSNSからも利用できるので顧客の利便性を高める効果もあります。結果として顧客とのタッチポイントは増加していきます。
メリット3. マーケティング活用
AIチャットボットとユーザーの会話をマーケティングへ活用できます。会話に含まれる「〇〇が知りたい」「〇〇が不便」「〇〇を探している」といったユーザーのニーズを把握し、市場分析や新たなプロダクトの開発に役立てられるのです。
メリット4. 売上アップ
ECサイトでお客さまが購入を迷っているとき、AIチャットボットであれば「なにかお困りですか」と尋ねられます。購入を躊躇している理由を探り、不安や疑問を解消していきます。
商品やサービスの購入率を向上させたり、追加オプションやサブスクリプションの継続を促したりできるのです。
メリット5. 問合せのハードルを下げる
AIチャットボットは、PCでもスマートフォンからでも気軽に利用できるサービスです。電話で人と話すのが苦手な人でも抵抗なく利用できます。営業時間外であっても質問したいときにすぐ活用できるサービスなのです。
問合せのハードルが下がることでより顧客満足度を向上させ、お客さまの声を収集していけます。
メリット6. 同時に複数の問い合わせに対応できる
従来の音声によるカスタマーサービスでは、一人のオペレーターは一人のお客様にしか対応できませんでした。AIチャットボットは同時に複数のお客さまに対応できます。お客さまの待ち時間を減らし、オペレーターのストレスも減らせます。
メリット7. ナレッジの蓄積
AIチャットボットを導入しているとナレッジが蓄積され、回答精度が着実に向上していきます。
これまでカスタマーサポートでよくみられた傾向が、ナレッジの属人化でした。特定のプロダクトに詳しい社員がいなければ複雑な質問に答えられない状態だったのです。
しかしAIチャットボットを導入することで、「生き字引的な社員がいなくても正確な回答ができる」「ナレッジが蓄積されるため回答の正確性が向上していく」メリットを実感できます。
AIチャットボットのデメリット
AIチャットボットには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。デメリットを知っておくと「導入したのに使いこなせない」「導入の成果が見えない」といった残念な結果を避けられます。3つのデメリットを説明します。
デメリット1. 運用開始までに時間が必要
AIチャットボットを導入するときには、AIの教育が必要です。スムーズな受け答えができるよう3つのことを教えなければなりません。
- 想定される質問と回答フレーズ
- 会話フロー・シナリオ
- 表記のゆれ
カスタマーサポートが今まで行ってきたお客さまとのFAQ情報をすべて覚え込ませる必要があります。
質問の受け答えをする会話フローや質疑応答の分岐を踏まえたシナリオなども作成して教えなければなりません。
ひとつの質問に対して想定される表記のゆれも教え込んでいきます。つまりAIチャットボットの運用開始までにはある程度の時間が必要になります。
デメリット2. 対応できない質問がある
AIチャットボットは完璧なツールではありません。教育された範囲のことは回答できますが、それ以外のことは対応できないのです。
さらにお客さまの次のような質問にも対応できないことがあります。
- 長い文章
- 文脈を読む必要がある
コールセンター白書2021年によると、チャットボット単体で問題を解決できた割合は37%でした。そこに「チャットボットに案内されたWEBサイトで問題を解決できた」15%を合わせると、利用者の半数程度しか問題を解決できていません。つまりAIチャットボットはまだまだ発展途上のツールなのです。
デメリット3. 一回にたくさんの質問に対応できない
AIチャットボットはユーザーにリテラシーの高さを求める部分があります。たとえば一回に2つ以上の質問をされると対応できないことがあるのです。一つの質問だけをして答えを待ち、答えが来てから次の質問をする、といったプロセスが必要です。
AIチャットボットの活用事例13選
AIチャットボットにはデメリットがある一方、大きなメリットと可能性があるため世界的に導入が進んでいます。カスタマーサービス以外の分野でも利用が拡大中です。
「どんな分野でAIチャットボットの活用が進んでいるのか知りたい」「自社にピッタリの活用法を見つけたい」といった方に役立つ事例をピックアップしました。
国内や海外でのAIチャットボットの活用事例を見ていきましょう。
採用業務
企業の採用業務でAIチャットボットが活躍し始めています。実は志望者にとって、面接担当者が人間よりAIチャットボットのほうがメリットを感じることがあります。聞きにくいことを聞けるからです。
たとえば「福利厚生は充実していますか」「有給は取りやすい雰囲気ですか」「社内の飲み会はよくありますか」「離職率ってどれくらいですか」など面と向かっては聞きづらい質問をAIチャットボットであれば気兼ねなく聞けます。
企業側は、志望者の不安や心配を人件費をかけずに解消できるのでメリットがあると感じているのです。
社内FAQ
社員数の多い大企業では、社員からの問合せに対応するバックオフィス部門がAIチャットボットを活用しています。ある企業は年間7万件以上の電話による問合せ業務をAIチャットボットで半分に減らせました。総務や人事部で働く社員の負担を軽減できます。
社内FAQにAIチャットボットを使うことで、ナレッジの共有を進め、経験ある担当者の異動や退職があってもナレッジが失われない体制を作ることも可能です。
多言語対応
AIチャットボットと自動翻訳機能を組み合わせて運用するケースもあります。実際の対応フローは以下のとおりです。
- 外国語の問合せを瞬時に翻訳
- 日本語のデータベースを使って回答案を作成
- 問い合わせ言語へ翻訳して回答
インバウンドが多い観光業、外国人の市民が多い自治体で多い事例です。観光業や自治体では、ビースポーク社のチャットボットが評価されています。
LINE連携
特定のツールとAIチャットボットを連携させる運用事例も紹介します。
国内の企業では、公式LINEアカウントとAIチャットボットを連携させて活用しています。LINEのトークルームでお客さまが質問すると、チャットボットが答えてくれる仕組みです。
ECサイトのよくある質問、配送業者の再配達依頼、保険会社の保険金請求、通信教育における有人対応の前さばきで活用されています。
Teams連携
社内チャットツールとして使われているMicrosoft Teamsと連携できるAIチャットボットも活用されています。社員向けFAQ、総務への問合せ、経理への確認などに使っている企業が増加中です。
「経費精算に必要な添付書類ってなんですか」「在宅業務時にかかった費用は請求できますか」などの質問に対応してもらえます。
教育機関
続いて各業界ごとのAIチャットボットの運用事例について見ていきましょう。
大学などの教育機関はAIチャットボットを導入しています。入試に関する志望者からの質問、学生や保護者からの質問に答えるサービスです。
医療機関
英国ではAIチャットボットを医療アドバイスのために活用しています。AI白書2019によると、医師とのビデオ面談に先立ってAIチャットボットから医療アドバイスを受けられる事例があります。この施策によって不必要な通院を減らせます。
国内でもLINEとAIチャットボットを連携し、受診予約や検査結果の通知を受けられるようにしている医療機関があります。ユーザーは履歴が手元に残るので情報をあとから見直せて便利です。
金融機関
国内の金融機関はAIチャットボットをどのように活用しているでしょうか。AI白書2019を見てみましょう。
代理店や社内からの商品やサービスに関する問い合わせ対応にチャットボットを使っています。銀行のホームページや公式LINEアカウントにAIチャットボットを導入し、お客さま対応に活用している事例も多くみられます。
ECサイト
AI白書2019では、LOHACOやUNIQLOの事例が紹介されています。
AIチャットボットをECサイトや実店舗に導入し、社員やお客さまからの問い合わせ対応を行っています。問い合わせ数が多ければ多いほど、よくあるFAQを絞り込みやすくなり、精度の高い回答をAIがしていけます。
行政機関
政府や地方自治体でもAIチャットボットの採用が進んでいます。AIチャットボットを採用することで、行政サービスをスピードアップさせたり市民の利便性を向上させたりする狙いがあります。
たとえば川崎市や掛川市では、三菱総合研究所と連携し、2016年に「AIによる住民問い合わせ対応サービス」を実施しました。子育てに関する行政サービスをAIチャットボットで提供する施策です。
配送業
AIに限らず自社開発のチャットボットを運用しているケースも紹介します。たとえばヤマト運輸では2016年からチャットボットの運用を開始しました。今までにチャットボットを3つの用途で活用しています。
- FAQ
- 受取日時・場所の変更
- 集荷・再配達の依頼
LINEのプッシュ通知を使ったサービスも提供しています。
損害保険会社
あいおいニッセイ同和損害保険では、保険金請求をチャットボットを使って行っています。保険金請求に必要な添付書類を、画像で提出できる利便性が高く評価されている事例です。
同社はチャットボットをお客さまのニーズに合わせて改良しており、2020年4月にはチャットボットへ直に保険金請求のために必要な情報を入力できるようにしました。
これまで郵送で保険金請求を行うと最短5日はかかっていましたが、チャットボットの採用で10分へ短縮しています。
サッカークラブ
サッカークラブにおいてもAIチャットボットが利用されています。スロベニアのサッカークラブでは、Mastercard、2Mobile、そしてライブパーソン(LivePerson)が共同してAIチャットボットを導入。観客が以下のサービスをAIチャットボットを使ってできるようにしました。
- 試合チケットの購入
- 試合中に食べ物を注文し、座席までデリバリーしてもらう
- ギフトショップからのグッズ購入
- 選手の最新情報
- クラブの順位や試合結果の表示
サッカークラブでAIチャットボットを利用することで、観客の利便性を高められます。たとえば試合中やハーフタイムに食事や飲み物を注文して座席へ届けてもらえます。列に並ぶ必要はありませんし、大切なシーンを見逃すこともありません。
スタジアムのスタッフは、チャットボットがお客さま対応をしてくれるのでサービスの提供だけに集中できます。
失敗しないAIチャットボットの導入方法
さまざまな使用が可能なAIチャットボット。いざ導入すると決めたらどんな準備が必要でしょうか。運用をスムーズに始めるために知っておきたいポイントを解説します。
導入の目的を決める
AIチャットボットを導入するのはなぜですか。導入目的を決めることで、AIチャットボットにするのか、シナリオ型がよいのかを決めることができます。
一般的なチャットボットの導入理由は以下のとおりです。
- 呼量削減
- コスト削減
- CVRの改善
- 顧客満足度向上
「導入目的が定まらないとき」「目的は決まったがどのタイプのチャットボットを選んだらよいかわからないとき」はベンダーに相談してください。
顧客満足度を重視
AIチャットボット導入の際に、ついつい自社のメリットを重視しがちになります。前述の導入目的のうち、最初の3つを優先してしまうことがよくあるのです。
しかし優先すべきは顧客満足度の向上です。顧客満足度を向上させるには、次の点を意識することが大切です。
- お客さまがチャットボットを使うまでの導線設計
- チャットボットのシナリオ
- コンタクトリーズンの抽出
これら3つの点を用意し、PDCAを回していきましょう。
専任担当者を決める
AIチャットボットの運用に関してPDCAを回していくには、専任担当者が必要です。導線設計の調整、シナリオの情報更新、コンタクトリーズンの追加などチャットボットの運用には定期的なチューニングが必要だからです。
PDCAを行わずに放置しておくと、使い勝手が悪いチャットボットとして認知され、お客さまから使ってもらえなくなったり、クレームを受けたりすることがあるので注意してください。
専任担当者を置く余裕がないときには、導入とチューニングサービスを提供しているベンダーを選びましょう。
有人チャットを組み合わせる
AIチャットボットだけでノンボイス対応をしようと考えないでください。チャットボットと有人チャットの得意分野は違うので、併用して活用するのがベストです。
たとえば「問い合わせのヒアリングと一次対応をチャットボットでする」「追加の質問は有人チャットで行う」などのフローを作れるかもしれません。
KPIを設定する
導入の際はKPIを設定してください。AIチャットボット導入企業が採用しているKPIは次の5つです。
- 正答率
- アンケートによる解決率、解決数
- ゼロ件ヒット率/数
- 顧客満足度
- 利用率(ポップアップなどでチャットボットの案内を開始した後の利用率)
カスタマーサクセスに有効なKPIは、「正答率」ではなく「アンケートによる解決率、解決数」です。ただ単にチャットボットがお客さまに答えを提示しただけの「正答率」ではなく、チャットボットの回答で問題解決したかどうかがわかる「解決率、解決数」を重視してください。
AIチャットボット導入時の注意点3つ
AIチャットボットを導入するときに注意すべき点は3つあります。
- 導入コストと手間を惜しまない
- AIチャットボットは万能ではない
- 会話設計に時間を掛ける
AIチャットボットを学習させ、使い勝手の良い導線設計にするにはコストと手間がかかります。最初のコストと手間を惜しむと回答精度が低いチャットボットになってしまい、費用対効果が低くなるので気をつけてください。
導入作業と最初のチューニングをベンダーがしてくれるところもあるので、自社の作業は大変だと感じるときは相談してください。
AIチャットボットは万能ではありません。長文の質問や、文脈を読み取らないとわからない質問には対応できないので注意してください。有人チャットと組み合わせると効果的です。
使い勝手の良いチャットボットの特徴は、自然な会話をすることです。そのため会話設計に時間をかけましょう。お客さまが「どんな言葉で何を尋ねてくるか」よく考えなければなりません。会話設計に助けになるのが、普段お客さまと多くの時間を過ごしているコールセンターのオペレーターです。
チャットボットの構築や更新にオペレーターを積極的に関わらせてください。
補足:チャットボットの構築に「人」の温かさや熱意が大切なことが簡潔に解説されている動画を紹介します。
AIチャットボットを上手に運用する2つのコツ
導入が終わり、AIチャットボットの運用が軌道に乗ってきたら2つの点を意識してください。
- 本人確認が必要な業務かチェック
- 入力回数を無理に減らさない
AIチャットボットに一番向いている業務はどれか見極めましょう。たとえば本人確認が必要な問合せかそうでないかを分類し、どちらがAIチャットボットでの対応が最適か考えてください。
本人確認が必要な問合せ内容→照会、申し込み手続き、変更手続き
本人確認が必要でない問合せ内容→FAQ、プロダクトの案内、資料請求、有人対応の前さばき(要件聞き出し)
AIチャットボットが効率良く働ける分野を絞り込むことで、どこに注力してチューニングしたら良いかがわかります。
ふたつ目のコツです。お客さまがチャットボットに入力する回数に正解はありません。一つの選択肢が増えるごとに離脱率が15%前後という数字がありますが、あくまでも参考程度にしましょう。問合せ内容によって最適な回数は異なります。
AIチャットボットのトレンド
現在のAIチャットボットのトレンドは、ただ単に質問へ答えるQ&Aの段階が終わり、お客さま情報の照会・変更などのパーソナルユースに対応する段階に入っています。
今後のAIチャットボットのトレンドは、テキストだけに対応するのではなく、音声認識に対応したAIチャットボットが主流になってくるでしょう。
AI白書2019によると、すでにAmazonやMicrosoftは音声認識を組み込んだAIチャットボットへの取り組みをはじめています。
Amazon (米国)はディープラーニングを用いて音声をテキストに変換する自動音声認識機能 ( Automatic Speech Recognition ; ASR )とテキストを認識する自然言語理解機能( Natural Language Understanding ; NLU )等を搭載したスピーカー型端末「 Amazon Echo 」を販 売している。 Amazon Echo が搭載する音声認識機能は、ディープラーニングによりテレビの音声、 音楽、 家族の会話等ノイズの多い家庭空間において高い精度を達成し、 数メートル離れた距離からも 音声の認識を可能としている。
Microsoft は前述のようにディープラーニングにより高い精度の音声認識を実現している。 CNN ※ と LSTM ( Long short-term memory ) 21 を組み合わせ、音響のコンテキストを理解する学習モ デルを構築して認識精度を高めている。 開発した音声認識は、 Windows のパーソナルアシスタント 「 Cortana 」や同社のクラウドサービス「 Microsoft Azure Cognitive Service 」の音声認 識機能( Bing Speech API 、 Custom Speech Service )として組み込まれる予定である。
出典:AI白書2019 「音声認識・対話」
Amazon Alexa、Apple Siri、Google アシスタントなどのスマートスピーカーが普及していること、スマートフォンやスマートウォッチにおける音声認識機能が向上していることを考えると、今後は音声対応のAIチャットボットがトレンドになるでしょう。
最後に
AIチャットボットはシナリオ型チャットボットと違い、自己学習をして柔軟な受け答えができます。実際にAIチャットボットを導入するメリットは、カスタマーサポートの負担を軽減したり、顧客とのタッチポイントを増やしたりできることです。しかし「運用開始までに時間がかかる」「対応できない質問がある」といったデメリットも覚えておきましょう。
カスタマーサポートを運営しているなかで「呼量削減したい」「顧客満足度を向上させたい」ときにはAIチャットボットの導入を検討してください。うまく運用できるか心配なときはベンダーに定期的にチューニングをするサブスクリプションサービスがあるか尋ねてみましょう。
AIチャットボットは社内の人員不足解消、カスタマーサポートの負担減少だけでなく、お客さまの利便性を高められる施策です。顧客満足度を一気に向上させるためにもAIチャットボットを活用していきましょう。
AIチャットボット・ライブパーソン(LivePerson)とは
AIチャットボット・ライブパーソン(LivePerson)は、自社のウェブサイトやアプリに高度なチャット機能を追加できるサービスです。ヴァージン・アトランティック社、HSBC社、SKY社などで活用されています。
ライブパーソン(LivePerson)には以下の特徴があります。
- ユーザーの会話の流れを分析し、次の展開を予測できる
- 状況を判断して有人対応へ切り替える
- 要件ごとの前さばきが得意(ニーズに合わせてFAQ回答、担当者へのルーティング、ボット対応を提案する)
- チューニングしやすいAIシステム
ライブパーソン(LivePerson)にはAIチャットボットだけでなく、世界的に注目されているメッセージング機能がついています。カスタマーサービスにノンボイスチャネルを導入したい企業へおすすめの製品です。
詳細についてはCBAへお問い合わせください。