ソフトフォンには様々な種類があります。たくさんありすぎてどのソフトフォンを選んだら良いのか迷うかもしれません。
この記事では無料から有料までおすすめソフトフォンをピックアップして紹介していきます。

海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、15年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。

ソフトフォンとは?

まずソフトフォンとは何かについて簡単に説明させてください。
コールセンターのオペレーターは、PCの中にインストールされたソフトフォン(電話機)を使って話をする場合がよくあります。そのソフトフォンは、会社のPBX(電話交換機)につながり、そこから各電話キャリアに物理的な電話回線やインターネット回線などによって接続されています。

PBX部分については、Avaya(アバイア)、Cisco(シスコ),Genesys(ジェネシス)といった大手のものから、Asterisk(アスタリスク)やFreeSwtich(フリースイッチ)をはじめとするオープンソースのものもありますし、最近ではクラウドサービスも非常に多くなってきました。弊社では現在、Genesysの開発チームがスピンオフして手掛けたBrightPattern(ブライトパターン)というPBXを全面に押し出して活動しています。

おすすめソフトフォン10選+α

今回はソフトフォン部分についてご紹介しますが、この技術については10年以上にわたって各社から様々な製品が発表されており、フリーウェアのものも少なくありません。今回は、歴史的に有名なおすすめソフトフォンから、各種の面白いソフトフォンまでご紹介します。

【+α】 通話録音機能のついたRectel2

https://softphone.cba-japan.com/

恐縮ですが、ひとつ弊社の製品を+αとして最初に紹介させてください。
コールセンターで必要となる通話録音をはじめとして、任意のHTTPリクエスト用のボタンを作る機能、かゆいところに手が届く各種の機能が追加された製品となっていますので、もしよろしければご検討くださいね。

RecTEL2はWindows11正式対応ソフトフォンです。

【1】CounterPath(カウンターパス)社のX-LITE(エックスライト)、Bria(ブリア)

ここから歴史的に有名なおすすめソフトフォンから、各種の面白いソフトフォン10選を紹介していきます。

最初に紹介するのは、CounterPath(カウンターパス)社のソフトフォンX-LITE(エックスライト)、Bria(ブリア)です。
ソフトフォンX-LITE のダウンロードはこちら↓
https://www.counterpath.com/x-lite/
https://www.counterpath.com/bria/
ソフトフォン黎明期から長年にわたって安定した人気を誇る定番ソフトフォンです。無料版がX-LITE、すべての機能が使える有償版がBriaというブランドになっています。無料でも基本機能はしっかりと動き、様々なネットワーク環境でも安定して動作する、という意味でコールセンター技術者必携のソフトフォンと言えるかもしれません。

※x-liteは、Bria Solo という新ブランド名になったようです。
https://counterpath.com/bria-solo/

【2】Zoiper(ゾイパー)

https://www.zoiper.com/
長年にわたり、X-LITEと人気を二分してきたのがこちらのZoiperです。私は個人的に電話らしいデザインの下記を長年利用してきました。
https://www.zoiper.com/en/voip-softphone/download/classic

現在はもっと”今風の”デザインになっています。
ちなみにZoiper社の代理店としてCBAでは長年、Zoiperファミリーを研究・販売してきた実績があります。
https://softphone.cba-japan.com/

【3】3CX VOIPフォン(スリーシーエッックス)

https://www.3cx.jp/voip-phone/softphone/
3CXは長年Windowsで動作するPBXを作っていることで有名でしたが、現在もPBXとは別にも動作するソフトフォンも公開されています。

【4】Jitsi(ジッシ)

https://desktop.jitsi.org/
インストール: https://desktop.jitsi.org/Documentation/InstallAndSetupOnWindows
変わった名前の開発プロジェクトですが、以前は “SIP Communicator”(シップコミュニケーター)という名前で公開されているプロジェクトでした。現在は、同時に多数の人がビデオ会議できるシステムJitsi Meet(ジッシミート)がコミュニケーションツールとして人気で色々なサービスに使用されるようになっています。

【5】PhonerLite(フォナーライト)

http://phonerlite.de/index_en.htm
かなりマイナーなソフトフォンですが、音質の評価に使える便利な機能がついているのでご紹介します。普通のソフトフォンにはない、ジッター、パケットロスなどの情報をリアルタイムに表示することができます。
http://phonerlite.de/statistic_en.htm

【6】linphone(リンフォーン)

https://www.linphone.org/products
こちらも昔から開発されているオープンソースのVoIPプロジェクトです。
下記にアーキテクチャーの紹介がありますが、様々なプラットフォーム(OS)で動作させるためのSDKの開発からはじめているプロジェクトです。
H.264、H.265、VP8といった動画コーデックにも対応しているのも魅力的です。
https://www.linphone.org/technical-corner/linphone

【7】FSClient(エフエスクライアント)

https://freeswitch.org/confluence/display/FREESWITCH/FSClient
IP-PBXを作るFreeSwitch(フリースイッチ)というオープンソースのプロジェクトがあります。FSClientは、「PBXそのものを電話機に見立てて、マイクとヘッドセットとダイアルパッドを付けたらソフトフォンになるんじゃないか」という発想で実装されているソフトフォンプロジェクトです。Embedded FreeSWITCH というものを使い、WPF/.NET 4.0で書いてある”ソフトフォン”です。PBXをまるごとソフトフォンにしてしまおう、というある意味「作れそうだから作っちゃった」という電話機なのは否めません。

【8】GreenJ(グリーンジェイ)

https://github.com/danleeb/GreenJ
すでにサイトは閉鎖されていますが、Github上でソースコードは公開されています。在りし日の昔の面影はWeb-Archiveなどに見ることができます。
http://web.archive.org/web/20120714065604/http://www.loremipsum.at/produkte/greenj/introduction/#en
このプロジェクトが秀悦だったのは、「通話処理部分はWindowsプログラムに担当させる。画面のインターフェイス部分はHTMLで作れる」という設計になっていたので、「ブラウザでコントロールできる電話機でありながら、仮にブラウザが落ちたとしても通話は切れない」というハイブリッドなソフトフォン設計だったところにあります。

【9】Microsip-PJSIPスタックを使ったソフトフォン

https://www.microsip.org/
PJSIPは一時期さかんに利用されていましたが、そのSIPスタックを使って今でもメンテナンスしながら公開しているのがすごい、と思うSIPフォンプロジェクトです。

【10】AGEphone for Windows

https://www.ageet.com/agephone
こちらは日本の株式会社ageetさんが開発されているソフトフォンです。マニュアルを確認すると「本製品は無料でご利用頂く事が可能ですが商用利用は不可となっております」となっていますのでご注意ください。「最小VoIPスタック」による開発製品だそうです。

【番外】さらにディープなツール群!

SIPフォンに関してもっと知りたい、という方は下記のページなどをたどっていただくと、さらに奥深いソフトフォンの世界に触れることができます。ちなみにCBAの技術メンバーはこういう話で盛り上がる、日本でも数少ない(と思われる)チームです。
https://www.voip-info.org/open-source-voip-software/

コールセンターPCの中の電話機を「電話回線」とつなぐには?

会社やコールセンターから「内線用のSIP(シップ)アカウント」が知らされている場合には、ソフトにその情報を登録しましょう。
自分でSIPアカウントを取得する必要がある場合には、「楽天モバイル株式会社のSMARTalk」というサービスが便利です。月額基本料0円の050からはじまるSIP回線のアカウントです。電話を受けるだけであれば基本的に料金がかかりません。これは本当の電話回線ですので、掲載されているFAQページなどで確認して、適正に使わせていただきましょう。(追記:残念ながら、2020年10月8日より新規申し込みが無期限停止になっているようです。)
https://ip-phone-smart.jp/
FAQ:「SMARTalk以外の通話アプリの設定方法がわかりません。」

無料のサービスで実験的にSIPアカウントだけが必要な場合には下記のようなページから探してみるのもよいと思います。下記はSIPに関する情報をまとめたページ(英語)です。
https://www.voip-info.org/free-voip-networks/

その他の面白電話機

弊社のCBA LiveAssist(ライブアシスト)、”ブラウザ動画SIPフォン”システムについて少し解説させてください。
CafeXコミュニケーションズが開発していた製品が、現在は”CBA LiveAssist”として継続販売されています。

CBA Live Assist: https://cla.cba-japan.com/

CBA Live Assist for Microsoft Dynamics 365: https://lad365.cba-japan.com/

現在のところ、海外の銀行や自動車産業系の大手企業で主に使用されていることが多くなっていますが、国内企業にも浸透してきているといっても良いと思います。

これは言うなれば、「プラグイン不要でSIP動画通話ができる」SDKであり、WebRTCを利用してプラグインなしで「お客様の見ている画面をエージェントにそのまま映し出し、代行入力や画面書き込み機能を実現させる」ソリューションです。

コールセンターでは、Avaya(アバイヤ)、Cisco(シスコ)、Genesis(ジェネシス)、そしてAsterisk系のPBXなどとも接続して稼働しています。また、「WebRTCとSIPの両刀使いである」という利点をいかし、ブラウザから、SIPの会議システムに接続することなども普通に行えています。既存のSIP環境にもたいてい、そのまま接続しにいけるはずですので、すでに社内のインフラとしてSIPの会議設備などがあれば、それと組み合わせて利用することもできる可能性があります。

CBA LiveAssistの活用事例は動画でこちらからご覧いただけます。
ほかにもYoutubeに色々ビデオが上がっていますのでご覧ください。https://www.youtube.com/results?search_query=%22Live+Assist%22+cafex

▶LiveAssistのユースケース動画をご覧ください。保険業界での事例となります。

「自社サイトに組み込みたい」「とかコールセンターで活用したい」という方はお気軽にご連絡ください。

【番外】RoBoHoN~SHARPが作るロボット型電話機

AndroidなのでWindowsソフトフォンのジャンルではないんですが、あまりに可愛いので紹介しちゃいます。
https://robohon.com/
開発パートナーは2019年の9月に締め切られているようですね。残念!

まだまだ他にも色々ありますが、実際に「開発やコールセンターで使えそうな」おすすめソフトフォンとしてご紹介しました。
弊社では、PJSIP2を利用したWindows用の、コールセンターに特化したソフトフォンの開発もおこなっており、納品実績もあります。独自機能を持ったWindows用のコールセンタープラットフォーム・ソフトフォンを作ることに関心のある方はどうぞお気軽にご連絡ください。(ブログを見た、と一言書いていただけるとスムーズです。)

オープンソースのIP-PBX特集については、「Asterisk、FreeSwitchなど 無料で使えるオープンソースIP-PBX(電話交換機)一覧」をご覧ください。

CBA(コミュニケーションビジネスアベニュー)ってどんな会社?

コールセンターの新規構築・システムの更新・新製品への乗り換え、ご提案・リプレース作業などを15年間近く手がけてきた会社です。
特にIP-PBX(インターネット経由も可能な在宅勤務もできるコンタクトセンターシステム)については2007年前後の黎明期からの実績があります。
導入コンサルティング、設置、トレーニング、運用監視サービス、メンテナンス業務まで対応しております。電話回線の賢い選び方からAIを使用した最新技術まで、コールセンターに関することなら何でもお気軽にお問合せください!

(CBAエンジニアによるサポートの舞台裏が見える記事もどうぞ)