接客業務では、顧客の自社への印象を形作る大事な瞬間が存在します。

それは、顧客が最初に企業とのコンタクトを図ったときでしょうか、それとも、記憶にある最後のやりとりのことですか。もしくは、その二つの事象の間のどこかの時点でしょうか。  

上記のどれも、大事な瞬間になり得ます。やり取りやサービスにおける最初のコンタクトも最後の印象も、その間のやりとりも、カスタマーエクスペリエンスを作り上げる要因になるので、ビジネスにとって重要です。  

顧客体験ののラスト1マイルが重要なのはなぜか  

 ただ、今回焦点をあてるのは、顧客と企業のやりとりの最後の部分「ラスト1マイル」が最も重要であるという点です。

顧客の立場になって考えてみてください。一連のやり取りの結果やその価値は、永続的な印象を与えます。CeBITで行われた講演で、SAPのSameer Patelは次のように述べています。「顧客を勝ち得ているのは誰だろうか? 顧客体験のラスト1マイルを握っているのは誰だろうか?顧客の体験を台無しにするのはだれだろうか?顧客に最も近い者ではないだろうか。」  

どういう意味でしょうか。  

 Patel氏は、企業側(もしくは直接応対するオペレーターや従業員)がコミュニケーションの最終部分(ラスト1マイル)の鍵を握っていると考えており、企業に対する顧客の印象を左右すると考えています。  

例えば、家に帰った時に、届いているはずの商品がまだ届いていなかったとしたら、それを販売している企業が、製品の種類と価格を比較できる、魅力的でユーザーフレンドリーなWEBサイトを持っていたとしても、意味をなさないでしょう。また、届いた商品が故障しているだけでなく、連絡をとったカスタマーサービスに失望させられるならどう感じるでしょうか。  

または、友人や家族と一緒にショッピングを楽しんでいるとしましょう。しかし、ある不愉快なレジ係によって、楽しい雰囲気は台無しにされる可能性もあります。あなたの満足度全体は、そのレジ係よって損なわれたと感じるのではないでしょうか。  

顧客体験の「ラスト1マイル」が一顧客としての自身の経験に重要なものであったとき、私たちはそのことを容易に全てを思い出すことができます。

通信業界はカスタマーエクスペリエンスの最終段階のために、この「ラスト1マイル」という言葉を生み出しました。この「ラスト1マイル」が顧客の関心事です。

  顧客はラスト1マイルを覚えている  

 顧客体験のデジタル化への転換は、基本的にプロセスやサービス、情報、行動、部門の連携を考えさせられる良い機会であるといえます。 

もちろん、ラスト1マイルに焦点を当てるということは、他の段階を無視してよいというわけではありません。企業と顧客のやりとりの最終段階がうまくいくかどうかは、それまでの過程も影響してきます。  

ただ、注目したいのは、ビジネスプロセスと自動化を最大限に利用するという意味でのデジタル化と、顧客体験のためにビジネスプロセスを最適化することは、根本的に違いです。後者は主に、顧客体験のラスト1マイルに焦点を当てています。  

John Manciniによれば、情報を顧客や顧客のデジタライズおよびパーソナライズすることは、この時代、最大の競争上の優位性であるといいます。  

次回のブログでは「データ、自動化、プロセスによる顧客体験の向上」など、ラスト1マイルの顧客体験をどのように良いものにできるかを考えます。

*この記事は独ITyX社の許可を得て株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューが翻訳し、一部日本の環境に合わせて変更を加えています。