テレワーク、在宅勤務、リモートワーク、…言い回しに若干の違いはあれど、今ホットなワードであることに違いはありません。
「働き方改革として少しずつ準備を進めてきた」という会社もあれば、今般の新型コロナウイルス対策で否応なく「テレワーク(在宅勤務)に突入せざるを得なかった」という会社もあるのではないでしょうか。


突然「テレワーク」が注目ワードになったことから、かねてから言われていた働き方改革という側面だけでなく、災害、感染症対策、経済危機においてテレワークが必須であることが明らかになりました。
しかしコールセンター業務にテレワークを導入するのは簡単ではありません。そこで今回はコールセンターがテレワークを始める5つのメリットについて紹介します。テレワークのメリットがはっきりわかると、導入に向けて計画を進めやすくなるでしょう。

コールセンターがテレワーク(在宅勤務)を始める5つのメリット

時代の変化を考えると、コールセンターがテレワークを導入することは避けては通れません。もしテレワーク導入のメリットがはっきりとわかっていれば、導入に必要な予算や設備を用意しやすくなるでしょう。
これから「覚えておきたいコールセンターがテレワークを始める5つのメリット」について解説してきます。

メリット1. 有事でも事業継続が可能

災害が発生したり、行政による避難命令やロックダウンが発令されるたりすると、ビジネスの継続が難しくなります。状況が二転三転するなか、従業員をサポートしつつ顧客へサービスを提供する、このバランスをいかに保っていくかが重要です。

何が起きても事業継続を可能にするのが、テレワークです。全国的が一斉にロックダウンする、または全国が一斉に災害に見舞われることは非常にまれです。ですから、一部の地域でサービスが提供できなくなっても、自分のエリアで自由にサービスが利用できれば、ほとんどの顧客は不便さを気にしないでしょうし、気づかないかもしれません。
ただし、従業員のテレワーク化を実施するには、良い計画とテレワークに最適なコンタクトセンターシステムが必要です。

(テレワークに最適なコンタクトセンターシステムについては「失敗しないコールセンターへのテレワーク(在宅勤務)導入方法を徹底解説」をご覧ください。)

メリット2. コストの削減

従業員の業務をリモート化する最大のメリットは、運用コストの削減です。リモート化することで本社センターを縮小、もしくは廃止することも可能でしょう。
例えばアメリカ最大手の電話会社AT&T社がテレワーク制度を導入したところ、3000万ドルもの不動産コストが削減されました。ほかにも、PCやプリンター、オフィス家具などの設備投資、保険や管理にかかる費用、さらには出張費なども削減、もしくはゼロにできるかもしれません。

メリット3. ワークライフバランスの実現

働き方改革の推進に呼応して、「ワークライフバランス」が話題に上ることも増えてきました。有給休暇の取得や、ノー残業デーなどが叫ばれる一方で、出勤の支度をして満員電車に揺られ、会社に着けば会議や会合、ビジネスランチ…こうしたことに割かれる時間は実は増え続けており、燃え尽き一歩手前という人が多くなっています。

アメリカのビデオ会議デバイスメーカー、OWL Labsが2019年に行った調査によると、回答者の91%がリモートワークを選んだ最大の理由としてワークライフバランスをあげたそうです。過ごしやすいビジネスカジュアルで仕事ができることや、自宅の仕事スペースまで数歩で出勤できる環境は、モチベーションを上げるだけではなく、ストレスを80%も軽減すると言われています。

メリット4.優秀な人材の確保

人手不足が深刻な今、優秀な人材の確保はコールセンターの人事担当者にとって頭の痛い問題ではないでしょうか。業務をリモート化すれば、通勤という地理的な制約がなくなり、全国から優秀な人材を集められます。

別のメリットとして、会社に魅力を感じた優秀な人材が自然と集まってくるという点が挙げられます。IWG 社が2019年に行った調査によれば、2つの会社から同じような条件を提示された場合、80%の人がより柔軟な働き方ができる企業を選択すると答えたそうです。

また、グローバル展開している会社なら、様々な地域の従業員を採用することでローカライゼーションしやすいというメリットもあります。タイムゾーンが異なる世界各地で人材を採用すれば、うまく時差を利用することにより、9時から17時だけの対応から24時間年中無休対応にできるかもしれません。

メリット5.生産性の向上

「テレワークになった場合、コミュニケーターは自宅でダラダラするから生産性が下がるのでは?」と心配になりますか。実は、逆なんです。

2013年に実施されたアメリカ・スタンフォード大学の調査によると、リモートワーカーのほうが13%も生産性が上がったことがわかりました。なぜなら、休憩時間や病欠が減ったために1時間当たりの作業時間が9%長くなり、静かな職場環境のおかげで1分間の通話数が4%増えたからです。

さらに、テレワークにすることで個々の従業員をひとつのチームとして管理運用できます。
たとえばある製品に関する問い合わせがあった場合、全国に点在する担当者のうち、最も熟知している担当者へ対応を依頼することができます。担当者は別の場所にいるのに、まるでひとつのコールセンターに集まっているワンチームのように業務ができるわけです。
問い合わせに対して最適な対応ができ、生産性が向上していきます。

最後に

コールセンター業務のテレワーク(在宅勤務)を始めることにより、何が起きても不思議でないご時世に万全の備えができます。

企業としてビジネスの継続が可能ですし、従業員も仕事を失うことなく安心安全な環境で、より高いパフォーマンスを発揮していけます。