コールセンターにおける一次解決率は適切な運用をするのに欠かせない指標です。「顧客満足度」と「コールセンターの応対品質」を高めるために絶対に必要な指標となります。

しかし「一次解決率が思ったように向上しない」と悩むコールセンターが多いのも事実です。一次解決率が伸び悩みむ原因は、オペレーターのスキル不足だけではなく、FAQを含めたwebサイトの作り、webサポートとコールセンターの連携不足などがあります。

今回は、一次解決率を向上させる7つの方法を紹介します。最後には、一次解決率だけを向上させようとする際の落とし穴についても説明するので参考にしてください。

海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、16年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。

一次解決率とは

一次解決率とは何なのでしょうか。一次解決率とは、エスカレーション、他部署への転送、折り返し電話なしで問い合わせを解決できた案件の割合のことです。

一次解決率は「案件解決率」や「1コール解決率」とは違います。間違えやすい各用語の意味を下記の表から確認しておきましょう。

意味エスカレーション他部署への転送折り返し電話
一次解決率お客さまからの1回目のコールで最初のオペレーターが解決できた割合なしなしなし
1コール解決率お客さまから1回のコールで解決できた割合ありありなし
案件解決率最終的にお客さまの問い合わせが解決できた割合ありありあり
【用語解説】一次解決率/1コール解決率/案件解決率

一次解決率が重要な理由

一次解決率を向上させるにはいくつかの施策と時間が必要となります。一定のコストをかけてでも一次解決率の向上に取り組むべきなのはなぜでしょうか。一次解決率を向上させるには以下のメリットがあるからです。

  • 顧客満足度向上
  • LTVの向上
  • コールセンターの運用コスト削減

各メリットについて詳しく説明していきます。

顧客満足度の向上

株式会社リックテレコム発行の「コールセンター白書2021」によると、「コールセンターに問い合わせをしたお客さまが満足した理由」で最も多かったのが、「求めたことへの回答が得られた・69.5%」でした。

「オペレーターに最も求めること」について最も多かった答えは、「求めたことへの適切な回答・52.5%」でした。

このデータから分かるのは、お客さまが「コールセンター」と、対応してくれた「オペレーター」に期待していることは、当然ながら自分の用件が解決されることです。つまり最初に対応してくれたオペレーターが用件を解決してくれれば、お客さまは一番満足されることがわかります。

逆に一次対応したオペレーターがその場で解決できずに、二人目のオペレーターへエスカレーションされたり、他部署へ転送されたり、折り返し電話されたりするごとに顧客満足度は下がっていくことも読み取れます。

LTVの向上

一次解決率が向上し、顧客満足度も向上していくと、LTV(Life Time Value・顧客生涯価値)も高まっていきます。お客さまは何回も問い合わせをしないと問題を解決してくれない企業のサービスより、一回だけで期待通りの対応をしてくれる企業のサービスを好ましく思い、継続利用します。

一次解決率の向上が、結果的にサービスの解約を防止し、新たなプロダクトの購入へと繋がっていくのです。

実際にService Quality Measurement(SQM)グループの調査では、一次解決率(FCR)が高いと、顧客の95%が企業との取引を継続することがわかっています。クロスセルの受け入れ率も20%向上します。

コールセンターの運用コスト削減

同じService Quality Measurement(SQM)グループの調査によると、一次解決率が1%向上するごとに、コールセンターの運用コストが1パーセント削減されます。さらに、一次解決率が1%向上するごとに、オペレーターの満足度が1%から5%も向上します。

一次解決率を改善することで、エスカレーション、転送、折り返し電話の時間的なコスト、人員コストを削減できるのです。オペレーターの満足度も上がるので、離職率の改善もでき、採用コストを減らせます。

一次解決率を向上させる方法7つ

一次解決率を向上させる方法は7つあります。

  1. トークスクリプトの定期更新
  2. ナレッジコンテンツの充実
  3. FAQの改善
  4. 一次解決向上を目指したトレーニング 
  5. コブラウジング機能の活用
  6. Webコール機能の活用
  7. 事前にコンタクトリーズンを把握する

それぞれの方法について見ていきましょう。

1. トークスクリプトの定期更新

オペレーターが参照するトークスクリプトは、常に更新していかなければなりません。新しいプロダクトが発表されるごとに更新するのは当然ですが、それ以外のタイミングでも更新しましょう。

たとえば、Webサイトが更新されたり、コールリーズンが増えたりするごとに更新してください。

2. ナレッジコンテンツの充実

トークスクリプトだけではお客さまの多岐にわたる質問や、質問の仕方に対応しきれません。オペレーターが参照できるナレッジコンテンツを充実させてください。お客さまのコールリーズンをカテゴリに分け、対応方法を見やすくしておきましょう。

3. FAQの改善

お客さまが参照できるFAQを改善していくなら、そもそもお客さまはコールセンター問い合わせなくても良いですし、オペレーターと何度もやり取りをするシチュエーションを避けられます。

定期的に、お客さまがFAQの「どの項目を見たあとにコールセンターへ問い合わせているのか」をチェックしてください。該当する項目を改善するなら、お客さまの自己解決率を高められます。

4. 一次解決向上を目指したトレーニング 

トークスクリプト、ナレッジコンテンツ、FAQを改善しても、オペレーターがそれらを熟知していなければ意味がありません。更新されていくコンテンツの内容を理解し、コンテンツを使用しながら顧客対応ができるようにトレーニングしてください。

5. コブラウジング機能の活用

「手続きの仕方がわからない」「操作方法が理解できない」というお客さまに対応するときには、コブラウジング機能を活用しましょう。コブラウジング機能とは、お客さまとオペレーターのブラウザ画面を同期させる機能です。

オペレーターが「言葉だけで説明するのには限界がある」と感じている対応にコブラウジング機能は効果的です。

言葉だけで説明するとお客さまはわかった気になり、問い合わせ後に自分で試してみるものの、実際にはうまくいかないので再架電することが多々あります。これでは真の一次解決にはなりません。

それで、対応に時間がかかっているコールリーズンを特定し、コブラウジング機能を使って説明すれば対応時間を短縮させられるかどうか検討してみましょう。

参考:一次解決率に貢献するコブラウジング機能4選

一次解決率に貢献する具体的なコブラウジング機能は以下のとおりです。

画面共有-アカウント登録の手間なしで、お客さまと画面を瞬時に共有できる。
遠隔操作-オペレーターがお客さまの画面を遠隔操作できる。
書き込み-オペレーターとお客さまが共有中のブラウザ画面上に、マーカーで書き込みできる。
資料共有-オペレーターがお客さまのブラウザ画面上に資料をすぐ送れる。お客さまはメール受信をわざわざする必要がない。

※コブラウジング機能は、コールセンターシステムに搭載されている場合があります。搭載されていないときは、コブラウジングツールを連携させることで使用できます。

6. ビデオ通話の活用

お客さまの顔を見ながらオペレーターが説明することで、相手の理解度や不満度などを知ることができます。結果的に、丁寧な説明をして一次解決率を向上させられます。

さらに、ビデオ通話を活用することで、お客さま側の機器の状態を把握しやすくなり、正確な対応をしていけます。

7. 事前にコンタクトリーズンを把握する

NTTコム オンラインの調査によると、コールセンターへ問い合わせる前に「webサイト」や「FAQ」を見ているお客さまは65.2%でした。大部分のお客さまがwebサイトで調べたものの、解決できなかったので問い合わせをしてくるのです。

「サイトを見たけどわからなかった」と言われているお客さまに、すでに見たページを案内することや、FAQを案内して再度サイトへ誘導することは避けなければなりません。

そのためにコールセンター用web解析ツールを使って、お客さまが架電する前にどのページを見ていたのかを知っておくと良いでしょう。

参考:コールセンター用Web解析ツールでできること

コールセンター用Web解析ツールでは、入電時にお客さまの閲覧履歴が見れます。閲覧履歴がわかると、オペレーターはお客さまがすでに見たページを案内してしまうことを避けられます。もしお客さまがFAQをすでに見たのであれば、どの項目を見て理解的なかったのかをあらかじめ知ることもできます。

さらに、ツールを使って問い合わせる前の顧客データを蓄積していくことで、「お客さまがサイトやFAQのどこでつまずいているか」が見えてきます。webサイトの改善点を正確に把握でき、お客さまの自己解決率も高めていけます。

一次解決率を向上させる注意点

一次解決率の向上に取り組む際に気をつけるべき点は、数値の向上だけに着目しないということです。数値的に一次解決率が向上したとしても、実はお客さまの問題は解決していないことがあるのです。

たとえば、手続きの手順をオペレーターから説明されたあと、お客さまがうまくいかなかったとします。一旦は一次解決し、数値的には一次解決率は向上しています。しかし、お客さまの問題は解決されていないため、顧客満足度は下がっていることでしょう。

もしお客さまが再度架電するのであれば、コールセンター側では別の案件として扱われます。一方、お客さまとしては依然として一つの案件です。コールセンター側では2つは別々の案件なので、両方で良い一次解決率が測定されるかもしれませんが、お客さまは満足していません。

確実に一次解決率を顧客満足度向上へ繋げるには、お客さまが二度目の問い合わせをしなくても良いようにサポートすることです。一回目の対応時に、コブラウジング機能やビデオ通話を使って丁寧に説明してあげることが大切です。

さらに注意したいのは、オペレーターを評価する指標として、一次解決率ばかりを強調しすぎないようにすることです。オペレーターが一次解決率の数値だけを気にし始めると、お客さまの質問を深掘りすることを怠り、最低限の案内だけをして案件を終わらせようとします。

オペレーターへ一次解決率について説明するときには、「いちばん大切なのはお客さまのお困りごとを解決することだ」と強調してください。お客さまが2回目の問い合わせをしなくてもよい対応がベストな対応であることを教えていきましょう。

最後に

一次解決率を向上させるには、オペレーターへのサポートお客さまの自己解決率を高める施策有効な機能やツールの活用が必要です。

注意点は、一次解決率の数値だけにこだわりすぎないことです。一次解決率向上を目指すと同時に、「お客さまに2度目の問い合わせをさせない」対応を目指さなければいけません。

バランスの取れた一次解決率向上を目指す施策を行っていくなら、真の顧客満足度向上とオペレーターや管理者の負担軽減を実現できるでしょう。

補足:一次解決率向上を実現するツールOptipass

https://cba-japan.com/optipass/

「Optipass」コールセンター用Web解析ツールです。解析機能に加えて、コブラウジング機能やビデオ通話機能も搭載されています。
コールセンターシステムと簡単に連携でき、一次解決率を向上させるツールです。

Optipassの特徴は2つです。

  1. 顧客動線の可視化
  2. 充実した視覚的コミュニケーション機能

顧客動線の可視化ーお客さまが架電する前の、自社サイト上での動きを見える化します。コールリーズンが明確にわかるので正確な案内が可能になります。

充実した視覚的コミュニケーション機能ーOptipassはコブラウジングやビデオ通話で、オペレーターとお客さまのコミュニケーションをスムーズにします。正確で速やかなサポートを実現してくれます。

コールセンターの比較の仕方