2025年4月17日、弊社株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニュー(以下CBA)は「CBAビジネスイノベーションフォーラム」を開催しました。

当日は、「見える、つながる、動き出す。AIxARエコシステムが支える業務革新の最前線」をテーマに、多くの皆さまにご参加いただき、活発な情報交換が行われました。本レポートでは、当日の各セッションの内容をダイジェストでお届けします。

 

イベントカレンダー

 

オープニング:変化の起点としての課題認識

弊社COOの小西が、現代ビジネスが直面する「ナレッジが活用されない」「AIが現場目線で動いていない」「顧客対応の質・スピードが追いつかない」といった“見えない課題”を提示。

フォーラムは弊社COOの小西による開会挨拶から始まりました。今回のテーマ「見える、つながる、動き出す。」に込めた想いと共に、現代ビジネスが直面する「ナレッジが活用されない」「AIが現場目線で動いていない」「顧客対応の質・スピードが追いつかない」といった“見えない課題”を提示。

AIとのコミュニケーションが増加する未来においても、ビジネス成果の根幹には常に「コミュニケーション」があり、AIやARといったテクノロジーがそれをどう支援できるかが重要であると述べ、フォーラムへの期待感を示しました。

Keynote:AIxARによるビジネスイノベーションとは

CXMコンサルティング株式会社 代表取締役社長の秋山紀郎様が、専門とするコンタクトセンター領域において、口頭説明の難しい状況をARで視覚的に共有することの有効性(「百聞は一見に如かず」)を強調

基調講演には、CXMコンサルティング株式会社 代表取締役社長の秋山紀郎様にご登壇いただきました。

秋山様は、AIとARの融合を「ビジネスモデルを変革し、顧客体験を向上させるもの」と定義。日本におけるARの市場は約2000億円の規模であり、年平均3割増という驚異的な成長を見せていることを紹介されました。さらに製造業、小売、医療など多岐にわたる活用分野についても説明されました。

続けて、工場でのAR修理ガイドや外科手術支援、AR家具配置シミュレーションといった具体例を挙げながら、AIの分析・予測能力とARの視覚化能力の組み合わせが、リアルタイムでパーソナライズされた体験を生み出すと解説。とくに、専門とするコンタクトセンター領域において、口頭説明の難しい状況をARで視覚的に共有することの有効性(「百聞は一見に如かず」)を強調されました。

最後に、DX推進においてはコスト削減だけを目的にするのではなく、品質向上や顧客体験向上といった「付加価値の向上」に繋げることが、持続的な成長の鍵であると提言されました。

ARを知る:グローバル視点で見る、ARx業務支援の最前線

米国CareAR社のセールス&パートナーシップ担当バイス・プレジデント、Kevin Mukaj様が、米国市場における人手不足や熟練技術者のリタイアに伴うスキルギャップといったリアルな課題に対し、ARがいかに貢献しているかを説明

続くARセッションでは、ARソリューションプロバイダーである米国CareAR社のセールス&パートナーシップ担当バイス・プレジデント、Kevin Mukaj様を迎え、弊社水谷がモデレーターを務めました。

Kevin様からは、米国市場における人手不足や熟練技術者のリタイアに伴うスキルギャップといったリアルな課題に対し、ARがいかに貢献しているかが語られました

また、Xerox社がCareARを子会社化した背景(複雑な機器サポートや技術者育成への有効性)や、ServiceNow社との戦略的連携(プラットフォーム連携による顧客価値向上)など、グローバル企業がCareARに見出す将来性についても解説がありました。

AI・ARプラットフォーム「CareAR」を用いたデモンストレーションを実施。

セッション後半では、AI・ARプラットフォーム「CareAR」を用いたデモンストレーションを実施。問題解決のステップを早期化する「シフトワークレフト」のコンセプトに基づき、QRコードからの3Dマニュアル表示による「自己解決」、AIによる作業チェック、そしてARアノテーション(空間への指示書き込み)を活用した専門家による「遠隔支援」までの一連の流れを具体的に紹介

参加者の皆さまには、ARが現場業務をどのように変革しえるかを体感いただきました。

AIを知る:AIはここまで来ている!―これからの「使える形」とは

弊社CDOの堂園が、GPT-4.1のような大規模言語モデルの進化、自律的にタスクを実行する「AIエージェント」の台頭、AI間の連携を容易にする「MCP」規格の登場など、目覚ましいAIの最新トレンドを解説しました。

AIセッションでは、弊社CDOの堂園が登壇。GPT-4.1のような大規模言語モデルの進化、自律的にタスクを実行する「AIエージェント」の台頭、AI間の連携を容易にする「MCP」規格の登場など、目覚ましいAIの最新トレンドを解説しました。

一方で、企業がAI導入を検討する際に直面する「社内ナレッジの不足」「機密情報の取り扱い」「意図しない学習への懸念」といった課題にも言及。これらを解決し、企業レベルで「使えるAI」とするためには、社内データを安全かつ効果的に活用できるプラットフォームが必要であると指摘しました。

デモでは、弊社が提供するAIプラットフォームGIDR.ai(ガイダーエーアイ)を用い、製品マニュアル(PDF)と画像を連携させ、AIが質問に回答したり、AR的なガイドを生成したりする様子を紹介しました。

人とAI:顧客接点を変革する新たな「バランス」

弊社赤羽が、今後は定型対応中心の「エフォートレス型」と、感情理解や複雑な判断が求められる「エモーショナル型」に二極化していくとの見通しを示しました。

コンタクトセンターにおけるAI活用に焦点を当てた本セッションでは、弊社赤羽が登壇。AIの進化によりオペレータ業務がどう変化するのか、という問いに対し、今後は定型対応中心の「エフォートレス型」と、感情理解や複雑な判断が求められる「エモーショナル型」に二極化していくとの見通しを示しました。

その上で、AIを人間の「代替」として捉えるのではなく、人間の能力を「補完」し、拡張する存在として活用する「ヒューマンインザループ」の考え方が重要であると強調。教育支援AI、AIロールプレイング、日本語に特化した音声認識システムでのオペレータ支援(Namitech社のツール紹介含む)など、AIと人が協働することで生まれる価値について解説しました。

最後に、AIソリューション導入を成功させるには、機能ありきではなく「課題ありき」で検討を進めるべきであると述べました。

質疑応答:現場の疑問に答える

CareARの競合製品に対する優位性(統合プラットフォーム、高度なARアノテーション機能など)や、ノードストローム百貨店の事例におけるServiceNowとCareARの具体的な連携方法など、より踏み込んだ内容について解説が行われました。

各セッションの後には質疑応答の時間が設けられ、参加者の皆さまから活発な質問が寄せられました。CareARの競合製品に対する優位性(統合プラットフォーム、高度なARアノテーション機能など)や、ノードストローム百貨店の事例におけるServiceNowとCareARの具体的な連携方法など、より踏み込んだ内容について解説が行われました。

クロージング:次の一手を打つために

弊社COOの小西が、AIやARといった先進技術を日本市場に導入するにあたり、海外と日本のビジネス文化の違いを踏まえ、CBAが「架け橋」として日本企業に寄り添い、最適な形で技術導入を支援していく役割を担うことを強調

最後に、再び弊社COOの小西が登壇し、フォーラム全体を総括。AIやARといった先進技術を日本市場に導入するにあたり、海外と日本のビジネス文化の違いを踏まえ、CBAが「架け橋」として日本企業に寄り添い、最適な形で技術導入を支援していく役割を担うことを強調しました。

そして、今回のフォーラムが、参加企業の皆さまにとって「見える、つながる、動き出す。」を実現するためのきっかけになってほしいとの期待を述べ、閉会しました。

最後に:AIとARで未来を共創する

今回のフォーラムでは、「見える、つながる、動き出す。」をキーワードに、AIとARがもたらす業務革新の可能性を多角的に探りました。技術は急速に進化していますが、重要なのは「大きく始める」ことではなく、まず「正しく課題に気づき」、現場に合った形でテクノロジーを「着実に活用」していくことだと再認識させられました。

「AIとARの可能性と融合したソリューションについての様々な事例が興味深かった」「シフトワークレフトすることのメリットや、人間が柔軟力や共感力を発揮するためにAIに補完してもらうという考え方が腑に落ちた」といった参加者からの声にも表れているように、「最新技術」と「人間」が協働していくという可能性に多くの方が共感されています。

CBAは、これからもAIとAR技術の最新動向を注視し、お客さまの課題解決とビジネス成長に貢献できるよう、最適なソリューションとサポートを提供してまいります。今回のフォーラムで得られた知見や繋がりが、皆さまのビジネスにおける次なる一歩に繋がることを願っております。

ご多忙の中ご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。今後ともCBAをよろしくお願いいたします。