ソフトフォンを導入することで、業務の効率化を推し進めている企業が増えています。
しかし「ソフトフォンって何?」「IP電話と何が違うの?」「ソフトフォンの使い方とは?」「失敗しない選び方が知りたい」と思われるかもしれません。
そこでソフトフォンの特徴、メリットとデメリットや、いざ導入するときの選び方について解説していきます。最後にはコールセンター向けのおすすめソフトフォンを紹介するので参考にしてください。

海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、15年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。

ソフトフォンとは

ソフトフォンとは、固定電話機やビジネスフォンといった専用機器を使わず、PCにソフトをインストールし、ネット回線を使って通話ができる電話のことです。
ネット回線を使って通話をする電話と聞くと、IP電話と同じだと思われるかもしれません。
実はIP電話とソフトフォンには、大きな違いがあります。

  • IP電話:ビジネスホンなどの専用IP電話機が必要
  • ソフトフォン:PCにソフトフォンのツールをインストールし、電話機を使わずに利用可能

IP電話が専用機器が必要なのに対し、ソフトフォンは既存のパソコンにツールをインストールするだけですぐ使用できます。

ソフトフォンの機能

ソフトフォンで通話ができる仕組みは、発信側の音声をソフトフォンツールを使ってIPパケットへ変換し、受信側へ送信するというものです。受信側へIPパケットが届いた時点で、音声へ変換されて通話が可能になります。

IPパケットを使った仕組みは、SkypeやLINEの通話機能でも活用されている技術です。

ソフトフォンはインターネットが使用できる状況であれば、いつでもどこでも活用できます。会社や自宅、そして出張先であっても、インターネットVPNを使って社内LANへ接続すれば無料通話ができます。会社の代表番号を使って発信すること、国内や海外の別の場所にいる社員へ通話を転送することも可能です。

ソフトフォンはパソコンを外線用と内線用の両方に対応する端末にできるため、電話機を増やすことなくオフィスの通話能力を強化していけます。

ソフトフォンのメリットとデメリット

ソフトフォンは業務の効率化やCSの向上に貢献しますが、何でも解決してくれるオールマイティーなシステムではありません
以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
★導入と運用コストが低い
★カスタマイズが簡単
★通話中のPC操作が可能
★コールセンターの増設と移動に柔軟に対応できる

デメリット
★PCへの依存度が高い
★通話品質が不安定になる

それぞれのポイントを詳しく説明していきます。

メリット

まず4つのメリットをチェックしましょう。

導入と運用コストが低い

ソフトフォンはIP電話のように専用機器が必要ないため、導入コストを抑えられます。
コミュニケーターが使用するPCへ、ソフトフォン用のソフトをインストールするだけで使い始められます。ベンダーによってはソフトウェアを無料で提供しており、気軽に導入できます。

運用コストが安いことも魅力です。IPネットワークを使って通話するため、通話料金を抑えられます。PCを使って業務を行いますから、専用機器のメンテナンスや老朽化による入れ替えコストが掛かりません。

カスタマイズが簡単

PCを使うソフトフォンは、通話以外の機能を連携させるカスタマイズが簡単にできます。CRMと連携させて以下のようなCTI機能が使えます。

  • 顧客情報の自動検索と表示
  • 適切なコミュニケーターへ着信を転送
  • 通話内容の録音
  • チャット
  • ビデオ通話

連携できるCRMはソフトフォンによって違ってくるので気をつけてください。

通話中のPC操作が可能

ソフトフォンはヘッドセットを使って利用するので両手が空きます。お客様と話しながらPC操作を簡単にすることが可能です。顧客対応をしつつ、必要な情報をCRM画面に入力していけます。
ワンクリック発信もできますから、大量に架電するアウトバウンド業務にも最適です。

コールセンターの増設と移動に柔軟に対応できる

ソフトフォンは固定電話機を使用しないため、電話線の配線、電話機の設置が必要ありません。コールセンターを増設したり移動したりするときに配線工事をする必要がないので、センターの拡大や縮小、移動に柔軟に対応できます。

PCとインターネット環境さえあればソフトフォンを使ってコールセンター業務が行えるため、リモートワーク先や出張先から利用できます。
在宅ワークが一般化しているので、ソフトフォンを使用すれば簡単にコミュニケーターやSVが業務を自宅で始められます。コミュニケーターとSVの連絡もソフトフォンを使えば円滑に行えるでしょう。

デメリット

続いてソフトフォンのデメリットについても見ておきましょう。

PCへの依存度が高い

ソフトフォンはPCを利用するため、PCが故障すれば使えません。
使用しているPCに不具合が発生したときのための対応をマニュアル化しておくとよいでしょう。別のPCや固定電話機へ着信が転送されるように設定しておけます。

通話品質が不安定になる

インターネット回線を使うソフトフォンは、通話品質が不安定になることがあります。
ソフトフォン利用時には電波干渉を避けたり、電波の減衰を最小限にしたりするため、WiFiを使わず、ルーターとPCをケーブルで接続するとよいでしょう。

ソフトフォンの使い方

IPパケットを使ったソフトフォンと聞くと「使い方が難しそう」と感じるかもしれませんが、簡単に操作することができます。
パソコンの大きな画面上のボタンを操作していくため、直感的に操作することが可能です。
ここでは発信と着信に分けて使い方を解説します。

受信の際の使い方

入電があった際は、画面上の受信ボタンを押すだけです。
固定電話機であれば相手の電話番号や名前が表示されることがありますが、ソフトフォンの場合はお客様の詳しい情報が入電時に表示されています。本人の名前や会社名、または過去の対応履歴なども事前にチェックすることが可能です。

発信する際の使い方

特定の顧客へ発信する場合、3つの方法を使えます。

  • 対応履歴から発信
  • 顧客情報画面から発信
  • コピー・アンド・ペーストで発信

お客様へ電話を掛け直すときには、ソフトフォンの対応履歴から発信できます。コンタクトセンターの顧客情報画面や連絡帳から相手の番号を検索し、発信する方法もあります。さらにチャットやメールで問い合わせがあった場合は、本文に書かれている電話番号をコピー・アンド・ペーストして発信することも可能です。

ソフトフォンの失敗しない選び方

ソフトフォンの失敗しない選び方は3つのポイントをおさえることです。

  • ステレオ録音ができるか
  • ビデオ通話・チャット通話が可能
  • 実績があるか

ステレオ録音ができるのであれば、発信側と受信側を別々に記録することが可能です。あとから通話ログを分析しやすくなります。

音声通話だけでなく、ビデオ通話やチャット通話が可能ならテレワークでも円滑にコミュニケーションが取りやすくなって便利です。

ソフトフォンはビジネスユースがメインになることが多いでしょう。そのため開発しつくされているツールのほうがエラーが出にくくおすすめです。ツールの開発元がソフトフォン運用にどれほど実績を持っているかチェックしてください。

最後に

ソフトフォンのメリットは、導入や運用コストが低いことや機能のカスタマイズ性が高いことです。ユーザーが通話中にPC操作が簡単に行える点、コールセンターであれば拠点の増設や移動に柔軟に対応できる点もソフトフォンの魅力です。
しかしPCへの依存度が高いこと、通話品質が不安定になるといったデメリットもあるので覚えておきましょう。

ソフトフォンを導入する際には、ステレオ録音機能、ビデオ通話・チャット通話などの機能があるか確認してください。開発元やツールの実績を確認することも大切です。
ソフトフォンを活用して通話コストの削減やビジネスの拡大を推し進めていきましょう。

【補足】コールセンター向けソフトフォンRectel2

Rectel2
https://softphone.cba-japan.com/

コールセンターにはソフトフォンRectel2がおすすめです。なぜならRectel2は、コールセンターに最適化されているソフトフォンだからです。

しかし「Rectel2って本当にコールセンターに必要なの?」「Rectel2を導入しても使いこなせるか不安」と感じるかもしれません。そこでRectel2の主な3つの特徴を解説していきます。

もちろん無料でも使い勝手の良いサービスはあります。とりあえず無料でソフトフォンを試してみたい場合は以下の記事をご覧ください。

RecTEL2はWindows11正式対応ソフトフォンです。

Rectel2の特徴:ステレオによる全通話録音機能

ステレオ録音はソフトフォンの定番Zoiperにはない機能です。またステレオ録音機能は、他社では高額のオプションサービスになっていますが、Rectel2であれば標準機能として使えます。

Rectel2では右チャンネルがコミュニケーター、左チャンネルがお客様というステレオ録音ができます。コミュニケーターとお客様の会話を分離して録音し、保存できるのです。保存した会話の内容をテキスト化し、応対履歴検索の効率化やVOC分析、FAQの作成などに活かせます。
Rectel2を導入することで、コンタクトセンターの応対品質と効率をアップさせていけるでしょう。

Rectel2の特徴:コミュニケーション機能が充実

Rectel2では音声通話のほかに、以下のコミュニケーション機能が使えます。

  • ビデオ通話
  • チャット
  • プレゼンス(ステータス表示)機能

コミュニケーターとお客様、さらにコンタクトセンターのスタッフ間のコミュニケーションを円滑に行うための機能が充実しています。

たとえばRectel2のコミュニケーション機能を使うことで、在宅コミュニケーターは音声通話以外に、ビデオ通話やチャット通話など顧客に最適な方法で対応できます。対応中に問題が発生しても、すぐにSVへソフトフォンを使って指示を仰げます。
Rectel2を導入すれば、コミュニケーターは在宅でも安心して業務を行っていけます。

(Rectel2の機能一覧をご覧ください)

Rectel2の特徴:使いこなしやすい

Rectel2は、様々なコールセンターやオフィスで利用されてきた定番ソフトフォンZoiper5を日本向けに開発したものです。Zoiperの開発元とCBAが、Zoiperの音質と安定性はそのままに、日本のコールセンターへ導入しやすいよう開発しました。
日本語UIなので直感的に使うことができ、日本のコールセンターで簡単に運用できるよう最適化されています。

Rectel2の導入時に知っておきたい注意点とは?

正直Rectel2は完璧なソフトフォンではありません。組み合わせるPBXによっては正常に作動しないことがあります。
たとえばビデオ通話機能はPBXの使用環境によっては使えないことがありますし、PBXとインターネット回線の組み合わせによっては音質が不安定になるケースがあるのです。

そのためRectel2では正式な受注後に2週間の試用期間を設けています。一旦、検証ライセンスを貸し出して期待通りに作動するか確認できます。試用期間後、運用に問題がなければ正規ライセンスをインストールし、すぐに使い始められます。
まず最初に確認してから正式に導入できるため安心して購入いただけます。

Rectel2の利用実績をチェック

Rectel2は最新版ですが、旧版のRectelでは国内の大手美容医療業界のコールセンターにて250席の利用実績があります。さらに各種コールセンターシステムやPBXと連携し、約1万ライセンスを販売してきた実績があります。豊富な実績をもとに、各企業を適切にサポートしていけます。
Rectel2は買い切り製品ですが、購入後のサポートも行っていますのでご安心ください。

(Rectel2の価格情報をご覧ください)

CBAはZoiper社の日本正規代理店として、長年ソフトフォンの販売と製品開発をしてきた実績があります。ソフトフォンの導入についてさらに知りたい方はお気軽にご相談ください。