「オムニチャネルとは何ですか。」

これは顧客サービスの分野で度々聞かれる質問です。

一般的な専門用語と同じように、「オムニチャネル」という言葉にもいろいろな定義の仕方があります。ただし、「オムニ」と「チャネル」それぞれに焦点を当てるとき、この語がどのようにカスタマーエンゲージメントに当てはまってくるか、明確に把握することができます。

「オムニ」は、すべてもしくはすべてを包含することを意味します。

一方、この場合の「チャネル」は、顧客とベンダー間で使用されるアクティブな通信経路のことを指し、これには、音声、チャット、電子メール、SMS、ビデオ、ソーシャルメディアなどが含まれます。

デジタルチャネルが増え続けるにつれ、企業はチャネルの移行に際して、顧客との間でコミュニケーションが分断・分散しないようにする、という課題に面しています。

そこで、真のオムニチャネル環境が解決にあたります。

では、上記に上げたようなチャネルそれぞれにおける、企業とカスタマー間の接続について考えてみましょう。

現在のコールセンターでは、それぞれのチャネルにおいて使用するシステム、インターフェイスやデータベースが独立していることが少なくありません。そうした構成は、現在のコンタクトセンター環境では最も一般的なものとなっています。

このような、それぞれのチャネルが関連しあうことのない方法は、「マルチチャネル」と呼ばれており、このような構成で運営している企業は、通常、チャット・メール・通話など、チャネル毎にオペレータをグループ分けしています。

オムニチャネルは、別々の通信経路を統合するので、複数のチャネルを選んだ場合でも、顧客は無理なくコミュニケーションを移行できます。チャネルが急に変わっても、情報は維持されるので、顧客が同じ内容を何度も繰り返す必要はありません。これにより不快にさせる要因を排除でき、コンタクトセンターの業務効率と顧客満足度が向上します。