弊社(株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニュー)は、2023年6月28日から30日に東京ビッグサイトで開催された第3回XR総合展・夏に出展しました。XR総合展の模様や弊社のブースの総括について紹介させていただきます。
XRは一見すると顧客接点の現場でどう役立つのかわかりにくいものです。今回の記事ではXRを取り入れることで今ある顧客接点がどのように進化したり、新たな顧客体験が創造できたりするのか解説していきます。
XR総合展について
XR総合展はVR、AR、MRといったXR技術をビジネスに役立てるツールやプラットフォームが勢ぞろいするイベントです。6月に東京ビッグサイト、10月に幕張メッセで年2回開催されています。昨年の同時期に行われた際には、4万人以上が来場したという経緯もあり、各業界が注目するビッグイベントです。
XRというとゲームやエンタメでの活用が進んでいますが、ビジネスの現場にも活かせる導入方法や運用のアイデアに出会える場となっています。今回も製造・建設・不動産・医療・エンタメといったさまざまな業界で運用できる製品が出展されていました。
CareAR展示ブースの総括
弊社の「CareAR/Xerox」は、顧客の自己解決率を向上させるARサービス管理ツールです。顧客がカスタマーサポートへ問い合わせる前に、ARマニュアルを参照しながらトラブルを自己解決できる製品となっています。
CareAR/Xeroxのブースでは、3つのデモが行われました。
1. ARマニュアルデモ
エンジン、Wi-Fiルーター、エスプレッソマシンを使って、ARマニュアルの使い勝手の良さを体験していただきました。デモでは、顧客がスマートフォンでARマニュアルを見ながらどんなに動いても、ARアノテーションが機器に固定され続けるため、見やすさと使い勝手の良さが評価されました。
CareARでは、機器マニュアルをARに加えて、2D、3D、動画のかたちで画面に映し出したり、AI(コンピュータービジョン)が手順の正誤をチェックしたりすることが可能です。
自社製品を使用する顧客がCareARを利用することで、テクニカルサポートやカスタマーサポートへ問い合わせる前に自己解決できる割合を向上させられます。
来場者にも「わかりやすいマニュアルだ」との高評価をいただきました。
https://twitter.com/galaxies_2018/status/1674408931538665475
ARマニュアル作成デモ
使い勝手の良いARマニュアルであっても、作成が難しければ導入に二の足を踏んでしまいます。ARマニュアル作成デモでは、シナリオ作成のシンプルさをご覧いただきました。ノーコードで作れるため、現場レベルで日々改善していくことが可能です。
ServiceNow(サービスナウ)などのCRMと連携することができます。
https://twitter.com/cba_japan/status/1673866059361976320
AR遠隔サポートデモ
ARマニュアルを使って自己解決できなかった顧客を遠隔サポートする様子をご覧いただきました。コールセンターのオペレーターが、アノテーションやテキストを使ってAR空間の中でお客さまをサポートする流れをイメージできるデモでした。
XR総合展で出会った顧客接点ツールの紹介
XR総合展では新たな顧客体験を提供したり、今の顧客接点を進化させたりするのに役立つツールに数多く出会いました。いくつかの製品を紹介します。
BURALIT
TIS株式会社様のブースには、観光メタバースアプリBURALITが展示されていました。360度カメラで撮影した現実の観光地の中を、かわいいアバターを使ってユーザーが自由に歩けるのが特徴です。地域の町おこしに活躍するアプリです。
開発担当者の方によると「メタバースの中で現地に行った気になるコンテンツを提供したいが、提携する自治体などは現場に来てもらいたいと思っている。そのバランスをとるのが難しい」とのこと。
メタバースから実際の観光地への導線を作るため、いくつもの取り組みがなされています。観光地で使えるクーポンをメタバースで獲得できるようにしたり、VR上でアドベンチャー体験した後に現地でもやってみたいと思わせる施策があったりします。メタバースから観光地へつなぐ顧客接点の導線づくりに今後も注目です。
VROSCE
株式会社ビーライズ様のブースには、医療教育に役立つVR製品が展示されていました。昨今の医師国家試験では、患者を診断する能力を問う問題が多いとのこと。机上の勉強だけでなく、診療・治療のイメージをしながら勉強していくことが必要だそうです。
「VROSCE(VRオスキー)」は、VR上で医療面接や、診察が体験できるソフトウェアです。すでに医学生の医療研修のために活用されているとのことでした。学生が体験型の学習をすることによって、未来の医師と患者の対話品質や診察レベルがより向上していくのだと感じました。
接客オンデマンド
ビーモーション株式会社様のブースでは、「接客オンデマンド」が展示されていました。ネットショッピングでカーテンや靴の購入を検討している際に、ショーウィンドウにあるQRコードを読み取ればオンライン接客が体験できるという製品です。
人材派遣のノウハウを持っている企業だからこそ、お客さまに丁寧に接することができるようにAIアバターを細かくチューニングできるとのことでした。さらに、オンライン接客だけでなく、店舗における接客ロボットや、人間のスタッフの管理も得意とのこと。ソフトウェアだけでなく、接客ノウハウや人間のスタッフも提供できるのは、人材派遣会社というバックグラウンドがあるからこその大きな強みだと感じました。
ラグビーVR
株式会社ギャラクシーズ様のブースでは、「ラグビーVR」が展示されていました。Hyper Reality(極現実)といった技術を使って、実在する選手の姿勢や表情をリアルに再現しています。実際にブースでは、東芝ブレイブルーパス東京のリーチマイケル選手と握手したり、タックルを受けたりする体験ができました。
このVR体験は「すでに東芝ブレイブルーパス東京の試合会場において、ひとつのアトラクションとして人気を得ている」とのことです。スポーツクラブとVRコンテンツの相性の良さを実感しました。今あるファンとの接点を進化させるだけでなく、ファンコミュニティを作る際の魅力的な特典になりえると感じ、顧客接点におけるVRの将来性に期待が膨らみました。
ゼンリン3D地図データ
Twitterで話題になっていた3D地図のイメージ映像に惹かれて、ゼンリン様のブースにお邪魔しました。ブースで注目したのは、ゼンリン3D地図データを使った浸水・避難シミュレーションです。この地図データは、災害が起きた時に人や車の流れがどうなるのかを3Dで予測するために活用できます。
自治体が観光者向けのハザードマップを作るときに活用されることが多いようです。災害時に観光客をいかに効率的に誘導できるか準備する際にも活用されています。
ブースの担当者によると「観光客を怖がらせすぎない、でも適切な安全対策を行う」という点をさらに突き詰めていきたいとのことでした。もしかしたら3D地図データとTwitterで注目されたアニメを融合したハザードマップが出てくるかもしれません。
XRSPACE
株式会社クレッセント様のブースで共同展示をしていたXRSPACEのメタバースサービスも興味深かったです。XRSPACEは、HTCの元CEOピーター・チョウ氏が立ち上げた企業です。
提供されるメタバースでは、最大1000人が参加するイベントを開催できます。複数のイベントを同時に行ったり、ゲーム形式のツアーを実施したりすることが可能です。企業が製品発表会などのイベントをするときに活用できるサービスだと感じました。世界中の顧客を集めたイベントに活用できるサービスです。
最後に
XR総合展ではVR、AR、MRといったXR技術をビジネスに役立てられる製品やサービスが数多くありました。今ある顧客接点を進化させたり、新たな顧客体験を創造したりするためのツールに出会えました。これからのXR総合展にも注目していきたいと思います。
「XRの最新ツールに興味はあるが、今いるメンバーで導入・運用ができるのか不安になる」ことがあるかもしれません。弊社ではコールセンター業界を中心に顧客接点をイノベートする製品を提供してきた17年の実績があります。顧客が利用しやすいARマニュアルなどを扱っていますので、お気軽にご相談ください。