Hubspotは、拡張現実(AR)を使ったカスタマーサービスを「ゲームチェンジャー」と呼んでいます。たしかに拡張現実を利用したカスタマーサービスへの注目度は海外を中心に高まっています。
ゴールドマン・サックス社は、拡張現実が2025年までに800億ドルの市場になると予測。Tractica社は、拡張現実のモバイルにおけるユーザー数が2022年末までに20億人近くになると予想しています。
さらにIKEA、Wayfair、Lowe’sなどは、セルフサービス型AR(拡張現実)に積極的に取り組んでいる小売店です。Microsoft、Walmart、Appleなどの大手企業も、自社のビジネスモデルを効率化するために拡張現実を活用しようと考えています。
拡張現実はカスタマーサービスを良い方向へ変える力を持っています。しかし「拡張現実をカスタマーサービスにどう活かせるのか」「拡張現実を活用するメリットが知りたい」「拡張現実を導入する効果は何?」と思われるかもしれません。
今回の記事では、拡張現実を利用したカスタマーサービスの効果と、それがクライアントや消費者にどんなメリットをもたらすのか見ていきます。
拡張現実のメリット1. リモート研修の効率化
視覚的な学習には大きな効果があります。拡張現実は実例を見ながら学習し、理解度を深めていくのに最適です。
拡張現実は現実と仮想を融合させることが得意なので、抽象的な考えをリアルな形で表したり、理解しやすい形でカスタマーサービス担当者のディスプレイに表示したりできます。
高度な技術が求められる製品の修理、精密機器やレアケースな問題については、拡張現実を使った研修であれば効果的に短期間で行なえます。
拡張現実によるリモート研修はコストの削減にも貢献します。会社全体へ拡張現実を導入すれば、インストラクターや講師は、どの場所からでも研修を行えます。遠く離れた場所から技術的な課題を指摘したり、注意すべき点を強調したり、カスタマーサービス担当者の作業にコメントしたりできます。つまり講師たちの交通費や移動時間を減らせるのです。
受講生も拡張現実による研修を受けることで、具体的な質問をしたり、製品に対する誤解を防いだりできます。講師や受講生同士のコミュニケーションが円滑になります。
拡張現実のメリット2. 売上向上
自己解決型のカスタマーサービスは、質問の回答を都合の良い時間にすぐ得られるためお客さまに好評です。
小売業界では、AR機能搭載スマートフォンの普及により、拡張現実を利用したカスタマーサービスがセルフサービス化する傾向が強まっています。Lowe’s、Wayfair、Ikea、Nike、Sephoraは、いずれも「お試し」ができる拡張現実カスタマーサービスを提供しています。Lowe’s、Wayfair、Ikea、Nike、Sephoraでは、家具、化粧品、洋服を購入前に試せるようにしてお客さまの不安を軽減。拡張現実による「お試し」があることで、お客さまの安心感が増し、購入への障壁が低くなり、返品率やクレーム率が低下していくのです。
結果としてブランドの透明性と信頼性が高まり、売上が向上していきます。
拡張現実のメリット3. 初回解決率の向上
遠隔サポートによるカスタマーサービスを提供する企業は、拡張現実を利用して初回解決率を向上させています。
拡張現実を活用した遠隔サポートツールは、複雑な問題を説明するために、お客さまに多くを説明させません。お客さまからの聞き取りに時間を費やす代わりに、カスタマーサービス担当者が自分で問題を見て、診断し、解決します。
遠隔サポートによるカスタマーサービスは、お客さまと担当者のコミュニケーションを円滑にしてくれます。拡張現実ツールによって “統合された現実 “を双方から見られるため、お客さまと担当者が協力して問題に取り組めます。
現場の技術や営業スタッフは、複雑な問題があっても拡張現実ツールのおかげで、全国にいる専門技術者へ確認しながら問題を解決していけます。
拡張現実のメリット4. 時間とお金の節約
拡張現実ソフトウェアは、カスタマーサービス担当者間の共同作業を実現してくれます。経験の浅い担当者が経験豊富なスタッフのアドバイスを聞きながら業務を行えます。結果的に、営業車の回転数、移動時間、資源の浪費を抑え、エネルギー効率の向上、そしてお客様の不満の解消を実現できるのです。
これまでコミュニケーションの不備を解消するために使われていた時間と金銭的なリソースを、生産的なことに使うことができます。浮いたリソースをビジネスの収益を生み出すほかの分野へ回し、会社をさらに成長させていけるでしょう。
拡張現実のメリット5. CSATスコアの向上
CSATスコアとは、お客さまが問合せた企業のサービスにどれだけ満足しているかを表したものです。カスタマーサービスの対応、製品やサービスの品質、企業価値などが含まれます。CSATスコアは、顧客が積極的に良い評価や悪い評価をするかどうか、友人や家族にその企業を紹介するかどうか、次も購入するかどうかなど、顧客の行動に影響を与えます。
拡張現実を活用したソフトウェアは、CSATスコアを向上させます。お客さまが問題を説明する時間を短縮できるからです。ひとつの問い合わせに対し、拡張現実ツールを使って問題を正確に把握し、他の部署や担当者への転送率を減らせます。1件の応対時間を短くできるため、電話応対率のKPIも向上させられるでしょう。
最後に
拡張現実を活用したカスタマーサービスは、業界や部門を問わず、企業に多くの価値を提供します。とくに顧客の解約を減らし、CSATスコアを向上させ、顧客サービスチームの質を高めて競合他社との差別化を図る上で、拡張現実は重要な役割を果たしていくのです。
拡張現実ツール・ヘルプライトニングについて
拡張現実ツール・ヘルプライトニングは、カスタマーサービスをする際に生じるお客さまや同僚との「距離」を超えられるツールです。ヘルプライトニングにはMR(複合現実)技術が使われています。
MR(複合現実)とは、お互いの見えている映像をリアルタイムでマージ(融合)する技術です。自分のカメラの前で指を差し入れれば、相手の画面上にも指が映し出されます。
拡張現実ツール・ヘルプライトニングの特徴は以下のとおりです。
- お客さまはアプリのインストール不要(URL送信するだけ)
- CRMやコールセンターシステムと統合可能(例:Genesys、ServiceNowなど)
- iPadやiPhoneなどのiOSやAndroidで使用可能
- 高額なAR・MR専用機器は購入不要
拡張現実ツール・ヘルプライトニングについての詳細はCBAへお問い合わせください。