音声通話料金は、コールセンターの運営費用のかなりの部分を構成しています。通常、音声通話の費用は、オペレーターがどのように通話を早く終わらせるか、付加的な通話をどうすれば回避できるのかなど、サービスパフォーマンスの観点から見られます。もしくは、通信業者の価格交渉によって上下することもあります。
どちらもコールセンターの費用を最小限に抑えるための有効なアプローチですが、通信の費用を削減する方法は他にもあります。
それは、キューの時間の分析やルーティング、IVRが含まれます。コールバックを提供し、オムニチャネルやWebRTCなどの技術確信を利用して、通信料を削減する方法です。
キューとルーティングを確認する
通信コストの削減は、キューの時間の分析から始まります。キューが長いなら、通信時間を大量に消費することになるでしょう。着信課金のフリーダイヤル通話なら、特にそうなります。
人員を増やしたり、溢れた呼を整理したりする前に、ルーティングを分析します。通信時間の長い呼を分析し、ルーティングによって解決できる問題がどれほどあるかを理解するようにします。例えば、特定の問題について、担当のスペシャリストに繋がりにくいために、キューの時間が長くなっているかなどです。
そのための一つの方法は、閾値を使用して、最も長い通話を検索し、結果を期間ごとに分類することです。それから、少しずつコールシナリオを分析することができます。
IVRレポートの調査
IVRアプリケーションレポートは、IVR(interactive voice response)の効果性を明らかにするのにも役立ちます。時折、IVRを使用した通話は、あいまいな指示で発信者を混乱させ、待たせることになり、結果何度もかけ直すことも少なくありません。
IVRレポートは、シナリオのどこで通話がドロップしたのかだけでなく、シナリオブロックが何度実行されたのかを示すことによって、効果的でない、もしくはわかりにくいIVRの設定を明らかにします。
コールバックの活用
状況が本当に過負荷であるなら、コールバック付きのバーチャルキューを活用することが一つの解決策になります。これにより、オペレーターが空いたときに、顧客にコールバックできます。。コールバック付きのバーチャルキューは、フリーダイヤル通話を続ける代わりに、アウトバウンドコールでかけ直すので、さらにコストを削減できます。回線の契約状況にもよりますが、ほとんどのアウトバウンドコールがフリーダイヤルよりも低価格であると言われています。
通信費用管理を検討する別のアプローチは、サイト上でウェブコールバックを提供することです。キューのコストがかからず、通話はやはりアウトバウンドなので、フリーダイヤルよりコストを抑えることができます。
どちらのタイプのコールバックでも、プレディクティブダイアラーがあれば、正確に予測する推定待機時間(EWT)を使用することで、オペレーターの時間を確保することができます。
通信使用料を調べる
さらに、通信費管理の中に、プロバイダが通話時間を切り上げて計算しているという認識を含めておくべきです。たとえば、米国のクラウド通信企業Twilioは、全世界を対象にした急速展開のための優れた選択肢ですが、非常に高価です。端数の分が切り上げられるので、平均して1通話あたり30秒の追加料金がかかることになります。
そのため、安価で契約できる回線を指定したコールセンター システムで使用するために、ゲートウェイやSBCを使用することもあります。
Bright Patternなど一部のコールセンターシステム では、「キャリア持ち込み」オプションを提供しています。これにより、クラウド移行後もキャリアを変更することなく、既存のキャリアとの関係を継続していくことができます。
オムニチャネル・WebRTCの活用
通信量の削減にオムニチャネルやWebRTCを活用するのもおすすめです。
今まで電話でしか受け付けられなかった問い合わせをLINEなどのSNSやWEBチャットに振り分けることで、コールセンター への電話そのものを減らすというアプローチです。
ある企業では、在宅オペレーターへの転送にWebRTCを活用して、その間の通信費を実質無料にしたケースもあります。