2024年11月21日・22日の2日間、東京で開催された『コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2024』は、記念すべき第25回を迎えました。最新のテクノロジーや業界トレンドが紹介され、参加者が現在と未来の顧客体験について考える、日本で唯一のコールセンター展示会です。
今年は2日間で9,200名以上が来場しました。今回は、AI導入後のフェーズに焦点を当てられており、現場での具体的なAI活用方法が注目されていました。弊社のブースの概要を紹介していきます。
『コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2024』の概要
- 名称:コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2024 in 東京 (第25回)
- 開催日:2024年11月21日(木)・22日(金)
- 時間:10:00~17:30
- 会場:サンシャインシティ・文化会館ビル(東京都豊島区東池袋)
- 主催:株式会社リックテレコム 月刊コールセンタージャパン、インフォーマ マーケッツ ジャパン株式会社
ブースの総括
弊社のブースでは、クラウド型コンタクトセンターシステム「Bright Pattern」と、カスタマーサポート向けARプラットフォーム「CareAR」を展示する2つのセクションを設けました。それぞれのセクションで紹介した製品や、新機能について解説していきます。
Bright Patternセクション
「Bright Pattern」のセクションでは、当然のことながらメインの製品として複数のチャネルを一元管理できるクラウド型コンタクトセンターシステム「Bright Pattern」を紹介しました。米国Bright Pattern社から役員たちも参加し、大いに盛り上がりました。
#CCT2024 #日本唯一のコールセンター展示会 #BrightPattern
ブライトパターン本社の役員たちも到着!
弊社の社長と副社長とともに、ブースを盛り上げてくださいます💪
2F-6 Dホールでお待ちしております! pic.twitter.com/gf0dBa0Avy— 株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニュー (@cba_japan) November 21, 2024
ブースではAIを活用した「新人オペレータ」や「SV」の業務をアシストする機能が好評でした。
たとえば、SVが新人オペレータの対応状況を把握するのに役立つリアルタイム文字起こしや、新人オペレータの後処理時間を短縮させるAI要約機能が注目を集めました。説明漏れがないかをAIがチェックしてくれる自動チェックリスト機能も、できるだけ早く新人オペレータを独り立ちさせたい管理者の方たちから評価されました。
GIDR.ai
「Bright Pattern」以外にも、コンタクトセンターの現場に役立つさまざまなツールを紹介しました。企業向けAIプラットフォーム「GIDR.ai」もその一つです。
「GIDR.ai」は、IT専門家だけが使える技術重視の製品ではなく、現場での使いやすさを重視したAIプラットフォームです。
ドラッグ・アンド・ドロップで構築できるRAGや、数あるLLMから手軽に自分が試したい種類をプルダウンで選択できるなど「ユーザーフレンドリー」な体験を重視した特徴が好評でした。
Kotonami
オペレータ支援AIシステム「Kotonami」は、ベテランのスキルを新人・中堅オペレータが実践しやすいようにAIがアシストしてくれるシステムです。アウトバウンド業務、カスハラ対応、解約阻止に役立つと評価されている製品です。
とくに現場で注目された特徴は、「Kotonami」が学習したベテランのスキルを各オペレータにリアルタイムで提案してくれる機能です。業界特有の専門用語や定型フレーズをデータベース化できるので、STTの精度に依存しない提案をしてくれます。
ほかにも、進行中の応対内容を読み取りながら、AIが1秒以内に役立つシナリオを提案してくれる機能も評価されました。
NamiTechソリューション
音声認識システム「NamiTechソリューション」は、日本語のテキスト変換の精度が高いと評判の製品です。今使用しているシステムの、日本語変換の精度の悪さに悩んでいる方に注目された製品でした。
「NamiTechソリューション」は、ノイズに強いという特徴があります。道路脇やイベント会場など、騒音がある場所から入呼を受けるコンタクトセンターにおすすめの製品です。
CareARセクション
カスタマーサポート向けARプラットフォーム「CareAR」は、ビデオ通話を使ってお客さまのトラブル解決をサポートできる製品です。ARアノテーションを使ってオペレータがお客さまの画像に指示を表示できます。
今回のイベントでは、大手アパレル業界、家具・インテリア業界、PC機器の製造・販売をする業界からとくに注目されました。
「電話だけだとトラブルの内容を理解するのに時間がかかり、1件の対応時間が長くなる」「現場に行ける派遣スタッフが少ないため、顧客を待たせる時間が長くなる」といった問題を解決できると評価された製品でした。
自動的に外カメラを使うため、顧客やオペレータの顔出しが不要になるといった点も好評です。
CareARを導入していただいているANAエンジンテクニクス社の事例や、ServiceNowとの連携ができることにも注目が集まりました。
セミナー情報
弊社では、今回2つのセミナーを開催し、どちらも多くの方にご参加いただきました。2日間で180名以上の方々にお越しいただき、心より感謝申し上げます。
セミナー①
日時:11月21日(木)
テーマ:生成AIを味方につける!導入だけで終わらせないための戦略的視点とは
登壇者:
ベルシステム24ホールディングス
情報システム部 先端テクノロジー研究グループ
グループ長
坂口 修平 氏
コミュニケーションビジネスアヴェニュー
最高開発責任者
堂園 俊郎
内容:「生成AI元年」と呼ばれた2023年から1年が経過し、日常生活やビジネスに幅広く浸透している生成AI。業務効率化や顧客体験の向上、対応の自動化やVOC解析などに活用される現場も急増しています。一方で、リスク管理や正しい運用方法に関するノウハウ不足という課題も。セミナーでは、具体的なユースケースを交え、人間と生成AIがどうコラボレーションできるのか、最新の知見と実践的なナレッジを解説しました。
セミナー②
日時:11月22日(金)
テーマ:最新事例(ANA ETC社他)から学ぶカスタマーサービス最前線
~業務効率化と顧客満足度向上を両立する実践的アプローチ~
登壇者:
CXMコンサルティング
代表取締役社長
秋山 紀郎 氏
ANA エンジンテクニクス
整備部
副部長
善家 亮介 氏
コミュニケーションビジネスアヴェニュー
CareAR営業部
平井 健司
内容: ANA エンジンテクニクス社の事例をもとに、AR技術を活用したカスタマーサービスの革新について具体的に解説されました。またコンタクトセンターという文脈においても、実際のユースケースを通じてAR導入の効果とベストプラクティスを紹介し、ROI改善や人材不足といった昨今の課題に刺さる実践的な最新技術活用方法とヒントについて語っていただきました。
最後に
第25回の節目を迎えた『コールセンター/CRM デモ&コンファレンス 2024』は、顧客体験の進化を実感できる貴重な場となりました。
AIの導入が進む中で、現場での具体的な活用方法が大きなテーマとなり、カスハラ対策や新人教育にAIをどう活かすかについて、多くの関心が寄せられました。また、日本語に強いAI文字起こしへのニーズの高さも改めて浮き彫りになりました。
今後は「現場で使いやすいAIソリューション」に加え、「コスト削減だけでなく、収益向上に繋がるAIソリューション」への期待がますます高まると予想されます。来年の同イベントでもAIの活用方法にどんな進化が見られるのか、引き続き注目していきたいと思います。
「AIソリューションに興味はあるが、今いるメンバーで導入・運用ができるのか不安になる」ことがあるかもしれません。弊社ではコールセンター業界を中心に顧客接点をイノベートする製品を提供してきた18年の実績があります。顧客と従業員が利用しやすいAI製品と運用方法のサポートを提供していますので、お気軽にご相談ください。