社会や企業で進むDX。ITのさらなる活用を裏で支えているのはサーバーです。サーバーが安定稼働しなければ企業のITはスムーズに機能しません。
これまで自社サーバーを管理する情報システム部や、サーバーの保守業者はサーバー保守業務の効率化を推し進めてきました。しかし日増しに高まるサーバーへの依存度や、ダウンタイムの影響度の高まりゆえに、今まで以上にサーバー保守の効率化が求められています。
今回は、さらに一歩踏み込んだサーバー保守の効率化として「AR・AI技術の活用」を取り上げます。AR・AI技術がサーバー保守にもたらすメリットや、AR・AI技術が得意なサーバー保守の分野を紹介します。
海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、16年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。
業務の効率化ができる「ARサービス」の提供をしています。
詳しくは資料で紹介しているのでご覧ください。
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サーバー保守業務とは
サーバー保守業務とは、サーバーが安定稼働するよう定期的なメンテナンスをすることや、トラブルが発生したときに対処する業務全般のことです。
サーバー運用業務と何が違うの?
サーバー保守とサーバー運用はよく混同されがちです。「運用」とは、サーバーが正常稼働するよう日常的に行う業務のことです。以下の業務が含まれます。
- トラフィックの監視
- サーバー上で動作しているプログラムの稼働監視
- 不正アクセスを受けていないかの確認
運用も保守もサーバーの安定稼働を目的としています。しかし「運用」が日常的な監視業務を行うのに対し、「保守」は定期的なメンテナンス、トラブル発生時の障害対応を行います。
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サーバー保守の問題は効率化!?
サーバー保守の重要性は日増しに高まっています。各企業でクラウド化や仮想化が推し進められており、サーバーへの依存度が増えているからです。そこで問題になるのがサーバー保守の効率化です。
より複雑で大規模なサーバーの保守を効率的に行うのは簡単ではありません。たとえばどのような課題があるでしょうか。
サーバー保守効率化を阻む壁とは
サーバー保守効率化を妨げる要素は5つあります。
- 限られた人的リソース
- 異なるサーバーの種類
- 保守スキルの属人化
- マニュアル作成の複雑さ
- 限られたダウンタイム
それぞれの点について簡単にチェックしていきましょう。
限られた人的リソース
保守業務はどうしても機械ではなく、人が行っていかなければなりません。サーバーが増えると同時に人も増やしていってはコストが圧迫されます。しかし人を増やさなければ人に負荷がかかり、ミスが出たりダウンタイムが長くなったりしてしまいます。
異なるサーバーの種類
サーバー保守業者が扱うサーバーの種類は多岐にわたります。種類が異なるサーバーの保守手順を標準化させることは簡単ではありません。結局、システム環境ごとに保守手順を作り、各システム環境ごとに人員を割り当てることになります。
保守スキルの属人化
サーバーの種類や導入企業ごとに保守人員を割り当てると、業務は滞りなく進みます。しかし弊害としてスキルが属人化します。担当者が休暇のとき、退職したときに他の人員がすぐに代わって業務を行うことができません。
マニュアル作成の複雑さ
マニュアルのフォーマットを統一化させる難しさも効率化を妨げます。情報システム部で作られてきたマニュアルや、ベンダーから配布されるマニュアルの表記や粒度は統一されていません。サーバー保守業者が担当する各顧客企業ごとのマニュアルもフォーマットはバラバラです。
これでは障害が発生したときの対応を効率化させられません。24時間の保守業務の中で、各シフト間の意思統一をすることも難しくなります。
限られたダウンタイム
サーバーが仮想化されると保守業務が増えます。保守人員が増えなければ、それだけメンテナンス中のダウンタイムが長くなってしまいます。
しかしメンテナンスは社員がITを使わないときに行わなければなりません。休日や週末の間に実施する必要があります。限られたダウンタイムの中で業務を終わらせようとすると、人員に負荷がかかったりミスが出たりします。
サーバー保守に求められる効率化
数々の難しいポイントはありますが、サーバー保守の効率化は実現しなければなりません。今後もDXの波は収まらないでしょう。
仮想化技術、クラウド技術を併用してシステム設計していく流れは加速していきます。複数のシステムを使用すること、それぞれのシステムにまたがる障害の見極め、適切な復旧対応が必須になります。
サーバー保守の効率化は自動化では無理なの?
サーバー保守の効率化と聞くと、「自動化」で解決すればよいと考えるかもしれません。しかしサーバー保守で自動化できる部分はほぼ手が付けれられており、これから自動化できる部分は限られています。たとえば、定期・不定期作業の管理、自動バックアップ、エラー通知はすでに自動化されている部分です。
さらにサーバー保守業務を自動化するとなると、かなり複雑な条件設定しなければなりません。オンプレとクラウドにまたがる障害の分岐、緊急対応の手順、膨大なエラー通知の対応有無の決定を自動化設定していかなければいけないのです。
自動化の作業自体が大変ですし、自動化が完了しても複雑な条件設定自体が属人化してしまい、ほかの人には手が付けられない事態になりかねません。
サーバー保守の効率化はAR・AIで実現させよう
これからのサーバー保守の効率化は、AR・AI技術で実現させられます。サーバー保守業務にAR・AI技術を導入すると、どんなメリットがあるでしょうか。
- ARで自己解決力が向上
- 短いダウンタイム
- コスト削減
- AIによるトラブル予測
各メリットについて解説していきます。
ARで自己解決力が向上
サーバー保守業務にARを導入することで、メンテナンス手順の視覚化・標準化ができます。情報システム部の社員、サーバー保守業者のメンテナンススタッフが現場で保守手順を確認していけます。
ユーザーの自己解決力を向上させます。メンテナンススタッフの一時解決率もアップしていきます。
短いダウンタイム
サーバートラブルが発生しても、ARの分かりやすいマニュアルにより現場で迅速に対応できます。もし現場にいる人員の手に負えないときには、リモートで技術者のアドバイスをARを使いながら受けられます。
遠隔地にいる技術者がARを活用した矢印や注釈をつけてくれるので、現場にいる人員も安心してトラブル解決にあたれます。結果として、サーバーのダウンタイムを短くできます。
コスト削減
ARによる分かりやすいマニュアルでユーザーの自己解決を促し、それでも解決が難しいときはリモートで技術者がARを活用したサポートを実施します。そのため技術者を現場に派遣するコストを削減できます。
AIによるトラブル予測
サーバー保守へAIを導入することで、AIがサーバーの潜在的な問題や、注意すべき箇所を自動で診断してくれます。AIが機器の製品詳細、保守履歴などを解析し、今後予測される事態を教えてくれるのです。
最新AR・AIツールが可能にするサーバー保守とは
最新のAR・AIツールを使うとどんなサーバー保守ができるでしょうか。3つの分野におけるユースケースを紹介します。
トラブル発生直後のサポート▶サーバーにかざした電子端末にトラブルシューティングを表示します。まず現場にいるユーザーの自己解決をサポートします。それでも無理な場合には、同じツールでARによるリモートサポートが受けられます。
部外者が入れないサーバー室での作業▶セキュリティの関係上部外者が入れないサーバー室があります。最新のAR・AIツールでは、現場スタッフとリモートスタッフが共同作業できる環境を提供します。現場スタッフが使用するスマートフォン、タブレット、スマートグラスを通してリモートスタッフがARで指示を出していきます。
若手技術者のトレーニング▶最新のAR・AIツールにこれまでのマニュアルPDFや動画などのナレッジを保存すると、簡単にオンラインマニュアルを作成できます。電子端末をサーバーにかざすとテキスト、動画、コンピュータービジョンが表示され、効率的に自習をしていけます。さらに現場で参照しながらトラブルシューティングにあたることも可能です。
最新AR・AIツールはノーコードが主流
「AR・AIツールは導入が大変そう」「今のメンバーでAR・AIツール運用していけるか不安」と感じるかもしれません。
最新のAR・AIツールはノーコードで利用できます。サーバー保守シナリオを特別なプログラミングなど不要で構築していけます。
ウェブベースで管理できるので手軽なシナリオ構築、また修正が可能です。既存のマニュアルや資料をドラッグアンドドロップでツールに放り込むだけで、3Dワークフローを作っていくこともできます。
専門知識なしで使えるツールでなければ、サーバー保守のナレッジが属人化してしまうので意味がありません。
▶参考情報:最新のAR・AIツール「CareAR/Xerox」
今サーバー保守の効率化に取り組まなければ取り残される!?
「企業 IT 動向調査報告書 2022」によると、「今後のIT 基盤における企業の優先課題は何か?」との問いに対し、1000人以上の企業では「ビジネスに柔軟かつ迅速に対応できるIT基盤の構築」が最も多い回答でした。
数年前までは、「IT 基盤の運用管理業務負担の軽減/省力化」が上位でした。しかし、今は順位が下がっています。
つまり業界リーダーの企業では、サーバー保守の効率化はすでに終わり、今はITを業務にどのように有効活用するかを考える段階に入っているということです。サーバー保守効率化のフェーズは終わり、国内企業は次の段階へと進んでいるのです。
それで今サーバー保守の効率化に取り組まなければ、企業運営において手遅れになる危険性があります。
最後に
サーバー保守の効率化をこれまで推し進めてきたうえで、さらに効率化を進めるならAR・AI技術を活用しましょう。最新のAR・AIツールであれば、限られた人的リソースであっても運用が可能です。
扱うサーバーの種類が違っていてもツール内で簡単に標準化できます。ノーコードで管理できるため、簡単にマニュアル作成ができますし、保守スキルの属人化を避けられます。最短のダウンタイムでトラブルシューティングをしていけます。
AR・AI技術を活用することで、今までにないサーバー保守の効率化を実現させていきましょう。