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【2025年最新】コールセンターで活用が進む音声認識とは?メリット・デメリットと6つの失敗しない選び方

「オペレーターの応対品質にばらつきがあり、顧客からのクレームが減らない…」
「通話内容の確認(モニタリング)に膨大な時間がかかり、スーパーバイザーの業務を圧迫している…」
「『顧客の声』をサービス改善に活かしたいが、全通話を聞き返すのは現実的に不可能だ…」

コールセンター運営において、このような課題をお持ちではないでしょうか。実は、これらの悩みは「音声認識システム」を導入することで、解決できる可能性があります。

近年、AI技術の進化などを背景に国内の音声認識市場は急速に拡大しています。調査会社のITRによると、2023年度の市場規模は前年度比21.0%増の150億円に達し、2028年度には300億円を超えると予測されるなど、今まさに多くの企業が導入を進めている注目のソリューションです。

さらに、コールセンター白書2023によると「今後導入予定のITソリューション」の第1位が「音声認識システム」となっています。

本記事では、コールセンターにおける音声認識の基本から、具体的なメリット、そして導入で失敗しないためのポイントまでを徹底解説します。

この記事が解決するお悩み

音声認識システムを導入したいが失敗したくない

何に気をつけて選定したら良いかわからない

音声認識システム導入にコストをかけるほどのメリットがあるのだろうか

「コールセンターではなくコストセンターだ」「コールセンターは経営貢献しているのか」と言われた時代がありました。しかしVOCの重要性が認知されるにつれ、「コールセンターは経営に欠かせない部署」と見直されています。そうは言っても、いまだにコールセンターを「経費がかかる部署」とみている企業は少なくありません。今回はVOCの収集・活用によって経営貢献の見える化を推し進める方法を解説します。最後には、他部署を巻き込んだVOCの活用方法も紹介するので参考にしてください。海外の最新コールセンターシステムやデジタル・...
「コールセンターの経営貢献がわかってもらえない」はVOCで解決できる!? - TPIJ by CBA

音声認識システムとは

音声認識システムとは、人間の声を解析して文字へ変換する仕組みのことです。コールセンターでは、お客さまとの会話をテキスト化し、コールリーズンの分析や、応対品質の評価などに活用されています。

コールセンター向け音声認識システムの主な機能

コールセンターで音声認識システムを活用するメリット

なぜコストをかけて音声認識システムを導入するのでしょうか。

コールセンター白書2023によると、調査したコールセンターのうち93.3%が「音声録音システム」、つまり「通話録音システム」をすでに導入済みです。しかし、録音した音声を「業務改善」や「サービス向上」に十分活かしきれていないとの課題があります。

「お客さまとのやり取りをもっと有効活用したい」との思いから、音声認識システム導入への関心が高まっているのです。

では、音声認識システムを導入すると現場にどのようなメリットがあるのでしょうか。

応対履歴の分析が簡単になる

これまでは応対履歴の分析をするために、通話録音データを一つ一つ確認しなければなりませんでした。しかし音声認識システムを活用すれば、応対履歴は自動で文字起こしされ、生成AIによって要約されます。キーワード検索も可能なので、チェックしたい箇所の音声だけを聞くこともできます。応対履歴の分析が飛躍的に簡単になります。

最新の音声認識システムは、お客さま側に雑音があってもノイズキャンセリング機能でしっかり会話を聞き取ってくれます。電車の騒音や、子供の泣き声に邪魔されて会話の内容をテキスト化できないということがありません

応対時間の短縮

お客さまとの会話がリアルタイムで文字起こしされるため、オペレーターは必要事項を正確に聞き取ることができます。再度聞き返す必要がないので、応対時間が短縮され、顧客満足度も向上します。

通話内容の自動要約機能を使えば、手作業での入力が不要になり、後処理(ACW)の時間を大幅に削減できたという事例もあります。これにより生まれた時間で、オペレーターはより丁寧な顧客対応に集中できるようになります。

コールリーズンの分析が簡単になる

AIが会話を分析し、トピックごとにタグを自動生成してくれます。そしてタグごとの頻出度合いを測定し、顧客の需要や課題を知ることができるようにします。

顧客感情を把握できる

テキスト化された情報からお客さまの感情を予測できます。お客さまがこちらの対応にストレスを感じているのか、どの程度のフラストレーションを抱えているのかを予測します。結果として、不必要なクレームを未然に防ぐことが可能です。

感情を持った生命体である、人間。「人間の感情」をどのように捉えアプローチするかというのは、経済やビジネスにおいても大きなファクターです。私たち人間は何かを購入するときやサービスを利用するとき、単にそれが必要だからという理由以上に、その商品やサービス、ひいては提供者に対して自分が何を感じるかということが、購入決定プロセスに大きく影響するからです。コンタクトセンターという顧客接点においても、これは軽く見ることのできない重要な要因です。お客さまがどのように感じているかを理解することは、お客さまが抱...
AI時代に「感情分析」の切り口で実践する、CX改善のススメ - TPIJ by CBA

後処理業務を効率化できる

お客さまとの会話がテキスト化されるため、後処理業務の時間(ACW)が短縮されます。最新の音声認識システムには生成AIによる通話要約機能が搭載されているので対応履歴の入力時間を大幅に削減できます。

オペレーター研修の質が向上

優秀なオペレーターとお客さまのやりとりがテキスト化されるので、新人オペレーターのスキル習得時間を短縮していけます。

たとえば、トップセールスを記録するオペレーターの会話をテキスト化・分析することで、その優れたトークスキルを「勝ちパターン」として可視化できます。これを基にトークスクリプトを改善したり、新人研修の教材として活用したりすることで、組織全体の応対品質を底上げしていくことが可能です。

カスハラ防止になる

最新の音声認識システムには、顧客感情をテキストから感知する機能が付いています。さらに、カスハラに相当する危険な表現を感知する機能も搭載されています。そのためオペレーターをカスハラや過度なクレームから守ることができます。

コンプライアンスの遵守がしやすい

オペレーターがNG表現を使っていないかを検知できます。お客さまが不快に感じるような表現や偏見・差別に相当する表現が使われていないかを自動でフォローしていけます。

「音声認識AI」や「対話型AI」は、カスタマーサービスの分野で以前から活用されてきました。しかし「生成AI」の登場とともに、急速な速さでAIが進化しています。毎週のように生成AIプロダクトの出現、プロダクトのバージョンアップについての情報が押し寄せてきます。生成AIは加速度的に進歩しています。しかし、カスタマーサービスの現場で生成AIを運用する取り組みはまだ始まったばかりです。事実、多くの企業やBPOは、「生成AIの運用を開始した」というよりも、「プロジェクト自体を開始した」という状態です。▶参考情報:「...
「結局コールセンターで生成AIどう使う?」リスクが少ない3つの使用法を紹介 - TPIJ by CBA

デメリットと導入の注意点

多くのメリットがある音声認識システムですが、導入前に知っておくべき注意点も存在します。

では、実際に音声認識システムを導入する際に、失敗しないためにはどんな点を比較したら良いでしょうか。

コールセンターへ音声認識を導入する際に失敗しないための比較ポイント6つ

「現場で使いやすい」「分析が簡単」「ずっと使える」音声認識システムを選定し、導入するにはどうしたら良いでしょうか。製品選定で失敗しないために覚えておきたい6つのポイントを紹介します。

1. 音声認識の精度

音声認識の精度に注意するとは、エラーがどれだけ少ないかをチェックするということです。文字の誤り率(CER)や、単語の誤り率(WER)がどれくらいかを確認しましょう。

ベンチマークとして基準にできる音声認識システムは以下の通りです。

上記のシステムより「エラーが多いか少ないか」を判断基準とすることができるでしょう。

音声認識の精度を測定する際に注意したい点は、雑音や騒音がある場合を想定することです。お客さまが「駅でコールセンターに問い合わせる場合」や、「街中のお店から問い合わせる場合」を想定して、CERやWERを測定してください。

▶️日本語の文字誤り率が低い音声認識システム「Namitech

2. データ分析のしやすさ

音声認識システムを導入する目的の一つは、データ分析です。データ分析が簡単な製品を選んでください。

データ分析がしやすい製品には、以下のような特徴があります。

※イメージしやすいように弊社が提供する音声認識システムNamitechの画像を使用しています。

キーワード検索ができる

会話内容を特定のキーワードで検索できます。検索結果をクリックすると音声も聞けます。

トピック分類が可能

会話を解析し、自動でタグを付け、カテゴリ分けしてくれます。

通話詳細の確認に対応

過去の会話履歴をテキストで確認できます。クリックすれば音声を聞くことも可能です。

オペレーター評価ダッシュボードがある

タグ別の通話数、顧客満足度などをグラフや数値で表示してくれます。

3. 導入&運用コスト

導入コストだけでなく、導入後に生じる運用コストを考慮するようにしましょう。音声認識システムには、扱う業務に最適化するためにチューニング作業が欠かせません。チューニングにどれくらいのコストが必要か確認してください。

4. 雑音への強さ

前項で少し触れましたが、雑音に強いかどうかを必ずチェックしてください。音声認識システムの弱点は雑音です。

お客さま側の雑音に加え、オペレーター側のポップノイズやキーボードを叩く音などが邪魔して文字誤り率を悪化させることがあります。

コールセンターに適している音声認識システムは、ノイズリダクション機能が強い製品です。

ノイズリダクション機能が強いかどうかは、以下の点を考慮して判断すると良いでしょう。

最新の音声認識システムは、AIを活用してノイズリダクションを行なっています。導入の際には次に挙げるノイズリダクション機能が搭載されているか確認してください。

事故受付をするコールセンターでは、お客さまの声が聞き取りにくいことがあります。道路の路肩から通報が入ると騒音がひどく、何度か聞き返さなければ正確な情報を得られないことがあるでしょう。AIノイズリダクションを搭載した音声認識システムはそのような状況で威力を発揮します。

▶️ノイズに強い音声認識システム「Namitech(ナミテック)ソリューション

コールセンターにおいて「ノイズ」は切り離したくとも、なかなか切れない存在です。コールセンターに限らず、一般的にノイズの抑制には「ノイズリダクション」「ノイズキャンセル」が有効とされます。イヤホンやヘッドフォンの機能説明において「ノイズキャンセル/ノイズキャンセリング」を聞いたことのある人は少なくないでしょう。では、「ノイズリダクション」と「ノイズキャンセル」の二つは何が異なるのでしょうか。この記事では、コールセンターにおけるノイズ抑制に注目し、ノイズリダクションの必要性や最新のノイズリダクシ...
音声認識システムに必須なノイズリダクション機能|ノイズキャンセルとの違いとは - TPIJ by CBA

5. インストール先が豊富か

せっかく導入するのであれば、いろいろな場所で使える方が有効活用できるでしょう。一つのシステムで以下のような使い方ができる製品を選んでください。

6. 声紋認証に対応しているか

最新の音声認識システムは、声紋認証の機能も搭載しています。AIがお客さまとオペレーターの会話を解析し、自動で顧客の声紋を登録、そして声紋認証もしてくれます

一つの声紋認証機能を、以下の箇所で運用できると使い勝手が良いでしょう。

コールセンターが声紋認証を活用するメリットは以下の通りです。

セキュリティ強化−不正防止を自動化できるので顧客を保護できる                

本人確認の時間短縮−お客さま情報を確認する時間の短縮が可能。パスワード忘れによるリセットの時間なども短縮できる

他社との差別化−顧客へ負担をかけない本人確認ができるためブランド評価を向上できる      

カスタマーエクスペリエンスの向上−パスワードやセキュリティ質問を覚える必要がなくなる    

カスハラ防止−声紋でブラックリストに入っている顧客を瞬時に特定できる            

▶️声紋認証ができる音声認識システム「Namitech

特殊詐欺の一つとして多くの被害件数および被害額を出しているのが「なりすまし」。なりすましの事例として多く発生しているのは、主にメールやSNSによるフィッシングや著名人へのなりすましです。2023年11月末時点の被害額は約80.1億円にも上っており、過去最多を記録しています。相談件数と被害件数も前年度比から大幅な増加が見られているので、なりすましが喫緊の社会問題であることは明白です。なりすまし被害からお客さまを守る点で、企業による本人確認の重要性はますます高まっています。本人確認といっても方法はさまざまです...
コールセンターにおける声紋認証|AI時代の「なりすまし」対策 - TPIJ by CBA

【PR】コールセンター特有の「ノイズ」と「専門用語」に強い音声認識なら

「自社のコールセンター環境でも本当に高い精度が出るのだろうか?」
「業界特有の専門用語を正確に認識してくれるか不安…」

そのような課題をお持ちでしたら、弊社が提供するコンタクトセンター特化型 音声AIソリューション「NamiSense(ナミセンス)」をぜひご検討ください。

「NamiSense」は、コールセンターのような雑音の多い環境下でも業界トップレベルの日本語認識精度を誇る点が最大の強みです。

実際に、電車内の騒音下におけるテストでは93.57%という高い認識率を記録。文脈を理解する独自のエンジンで、専門用語や固有名詞も的確に捉えます。

「まずはその精度を、自社の環境で確かめてみたい」

そのようなご要望にお応えするため、「NamiSense」では通算50時間まで無料でお試しいただけるトライアルをご用意しています。ぜひ一度、その“違い”を体感してください。

▼「NamiSense」のサービス詳細はこちら
https://namitech.cba-japan.com/namisense/

▼50時間無料トライアルを試してみる
https://namitech.cba-japan.com/#contact

最後に

ほぼ全てのコールセンターに導入されている音声録音システム。しかし音声録音システムだけでは、コールリーズンの分析、お客さまの感情分析などが効率的に行えません。

そこで注目されているのが音声認識システムです。最新の音声認識システムを導入すると、お客さまの問い合わせ内容の分析に加え、後処理時間の短縮や研修の質を向上させるなど業務効率化のメリットがあります。

業界全体で導入が進む音声認識システムですが、「どの製品を選んだら良いか分からない」ときには本記事の比較ポイントを参考にしてください。

通話録音システムの次に必須な音声認識システムを活用して、真のカスタマーエクスペリエンスを実現していきましょう。

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