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AIエージェントで広がる新しいカスタマーサポートの未来

生成AIの急速な進化により、コールセンタービジネスは今、大きな転換期を迎えています。

事実、AIを利用しているコールセンターの割合は、2023年の13%から、2024年には41%へと大きく伸長しています(参考:コールセンター白書2024)。

近年、とくに注目されているのが「AIエージェント」の実用化です。今やAIエージェントの導入は、一部の先進企業だけではなく、業界全体に広がり始めているのです。

では、AIエージェントはどのようにコールセンター業界の収益や市場の拡大につながるのでしょうか。その可能性を探っていきます。

海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、18年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。

この記事が解決するお悩み

「AIエージェントの導入って今やるべき?」

「AIエージェントのせいで売上が減るんじゃない?」

「AIで新しい市場って拡大できるの?」

 

 

近年、AIのビジネス活用が急激に進んでいます。顧客接点の分野も例外ではありません。たとえば、「コールセンターの実態調査」(コールセンター白書2024参照)によると、コールセンターでのAI活用についてどんな調査結果が見られているでしょうか。「生成AIの活用・関心度合い」を尋ねたところ、全体の41%が「全社的、あるいはセンター全体で利用している」と答えています。AIを利用しているコールセンターが41%と、前年の13%に比べて大幅に向上しています。そのような中、AIエージェントという用語が注目されています。生成AIの次...
生成AIとAIエージェントの違いとは?3つの顧客接点における活用例も紹介 - TPIJ by CBA

AIエージェントの導入って今やるべき?

まずAIエージェントとは何なのでしょうか。AIエージェントは現在注目されていますが、研究者の間でも明確な定義はまだ確立されていません。議論の余地はあるものの、「自律的な問題解決能力」と「行動力」がその核となる特徴と言えるでしょう。

海外での普及状況

アメリカではAIエージェントの活用がすでに進展しています。成人の49%が過去1年間にAIチャットサービスを利用しています。またカスタマーサポート市場は年平均成長率34.5%で拡大しており、市場規模は7.7億ドルに達しています(参考:market.us調査)。

国内での普及状況

日本国内でも徐々に浸透が進んでいます。大企業に所属する人の5人に1人がAIエージェントを利用しており、67%の大企業がAIエージェントに対してポジティブな姿勢を示しています(参考:「AIエージェントについての調査」)。
現在は大企業を中心に導入が進んでおり、今後さらに普及が拡大すると予測されています。

参考情報:コールセンターで活用しやすいAIプラットフォーム「GIDR.ai

2025年に入り、ますます加速するAI技術。その大きな要因の一つが、2024年後半から急速に注目を集めている「AIエージェント」です。会話やタスク処理を自律的に実行できるこの技術は、すでに多くの業界で導入が進んでおり、業務プロセスの自動化や効率化を後押ししています。とくに2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、今後さらなる普及が見込まれ、業務の高度なデジタル化が加速しています。そんな中で、新たな注目を集めているのが、「AIクローン」です。いわゆる「デジタルな分身」とも言えるこの技術は、単なるチャットボッ...
AIクローンが再定義するCX|BPO・コンタクトセンターの次なる戦略とは - TPIJ by CBA

 

 

AIエージェントがもたらす収益拡大の可能性

「でも、AIエージェントのせいで売上が減るんじゃない?」と心配になるかもしれません。たしかにAIエージェントがオペレータの代替となっていくことで、BPO企業の売上減少を懸念する声がありますが、実際には収益拡大のチャンスとなり得ます。

以下の4つの視点からその可能性を解説します。

1. サイレントカスタマーの発掘

「96%のユーザーはプロダクトに不満があっても問い合わせをしていない」という機会損失が存在します。いわゆるサイレントカスタマーです。AIエージェントならユーザーの行動を分析し、Web上での「困りごと」を察知して適切な情報を提供していけるでしょう。いわばパーソナライズされた情報を提供できるのです。これにより、従来アプローチできていなかった潜在顧客層へのリーチが実現できます。

2. 顧客体験の向上とLTVアップ

AIエージェントは24時間365日お客さまの応対ができます。たとえば、損害保険業界においては、事故受付から保険金請求までの自動処理が24時間365日可能となるでしょう。また多言語対応機能により、海外顧客へのスムーズな対応も実現できます。AIエージェントによる顧客満足度の向上は、サービス継続率の向上とLTV(顧客生涯価値)の増加につながっていきます。

3. 有料化による売上構造の見直し

一次対応をAIエージェントが担当し、より複雑な対応は「プレミアムプラン」として有料の人間オペレータによるサービスを提供する構造が可能となります。「無料のAIサービス」「有料の人間によるプレミアムサービス」というカテゴライズをすることにより、収益モデルの再構築が実現できます。

4. 急増するコールへの即時対応

AIエージェントは災害時やキャンペーン期間中など、一時的に問い合わせが急増する状況でも柔軟に対応できます。人間のオペレータで必要となる「増員コスト」や、「時間的制約がない」点が大きな強みとなります。

ハイパーパーソナライゼーションは、顧客一人ひとりの状況や行動をリアルタイムで分析し、最適な対応を提供するという仕組みです。顧客接点でこのハイパーパーソナライゼーションが実現すると、どんな効果があるのでしょうか。ハイパーパーソナライゼーションが顧客と企業にもたらす7つの効果について見ていきましょう。NetflixやSpotifyを始めとするB2C企業の事例や、SalesforceやHubSpotといったB2B企業の事例も紹介します。各企業が今できることも具体的に説明するのでご活用ください。※ハイパーパーソナライゼーションについての詳...
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AIエージェントが開く市場拡大への2つの道

AIエージェントの活用は新たな市場創出にもつながります。以下の2つの方向性から市場拡大の可能性を説明します。

1. サブスク型AIエージェントサービス

自社開発したAIエージェントをOEMとして外部企業に提供し、サブスクリプション型の新ビジネスを展開することができるでしょう。これによりコールセンターの枠を超えた新たな収益の柱を構築することが可能となります。

2. 音声以外のBPO領域への進出

FAQの自動管理やAIボイスチャットによる高齢者支援、インバウンド対応といった新領域への展開も可能です。これにより既存の音声通話にとらわれない、より幅広いBPO戦略を描くことができます。

参考情報:コールセンターで活用しやすいAIプラットフォーム「GIDR.ai

高い顧客満足度を実現させるためには、「自己解決率の向上」が重要となります。そのため、顧客の自己解決を促すことを目的として、FAQの整備やボットが活用されてきました。自己解決ツールの導入と整備が進み、効果を実感したり成功事例が出てきたりする一方で、新たな課題も表出しています。それは、「電話対応の高度化、複雑化」という現象です。この記事では、コールセンターに立ちはだかる新たな課題に注目します。今後のさらなる複雑化を見据えた対策として、AIによるナレッジマネジメントについて解説し、最後にはおすすめのナレ...
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最後に

国内外で進むAIエージェントの活用は、BPO企業にとって避けられないトレンドです。 しかしそれは、単なるコスト削減ではなく「収益拡大」と「市場拡大」という大きなチャンスでもあります。

これからのコンタクトセンターに求められるのは、“AIと人”が共存しながら、より高い顧客体験を実現することです。共にこの新しい未来を築いていきましょう。

株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューでは、AIに関する専門知識と製品を提供し、お客さまのビジネスの成功をサポートいたします。業務効率化や顧客満足度の向上について、お気軽にご相談ください。

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