AIが教育に与える影響はますます大きくなっています。学校運営者や教材事業者、また自治体の教育関係者はAIの活用事例について情報を集めていることでしょう。
今回は、海外の教育現場におけるAIの活用事例、さらに海外の教育現場で注目される対話型AIデジタルヒューマンの特徴についても紹介していきます。
「AIによって教育現場がどのように変わっていくのか」「教師の雇用はなくなるのか」といった点も考察します。記事の後半には、米国におけるオンライン教育の歴史についても紹介しているのでご覧ください。
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米国のオンライン教育における課題
最初に、米国のオンライン教育の現状と課題について見ていきます。
米国国勢調査局によると、新型コロナ感染症が始まって以来、学齢期の子どもがいる家庭の93%が何らかの形で自宅で「オンライン教育」を行っています。 しかしパンデミックの期間中、42%の学生が「オンライン教育ではモチベーションを維持することが難しい」と回答しているのです。
とくに経済的に恵まれない世帯の子どもたちにその傾向が見られます。親が働いているため、オンライン教育についていくサポートが受けられないのです。
米国のオンライン教育における課題は、すべての学生に魅力的な学習体験を提供できていないということです。経済的な環境に関係なく、すべての学生たちがモチベーションを保てるオンライン教育を提供することが、これから取り組んでいくべき課題です。
では課題の解決策は何でしょうか。ひとつはAIの活用です。学生を引きつけるオンライン教育を実現する手段としてAIが注目されています。
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米国が進めるAIによるパーソナライズド・オンライン・ラーニング
米国の教育分野におけるAIの導入は、年率約48%(CAGR)で成長しており、今後も成長していくと考えられています。
現時点のAI活用方法は以下のとおりです。
- スケジュール管理
- 書類管理
- 教材作成
- 個別の学習計画
- 教育カリキュラムの作成
主に教師たちが手動で行っていた作業がAIによって自動化されています。
しかしAIの新たな活用例として、パーソナライズド・オンライン・ラーニングが注目されています。
パーソナライズド・オンライン・ラーニングとは、生徒一人一人に合わせて教育カリキュラムをカスタマイズするアプローチです。
生徒個人の学習スタイルやペース、そして興味のある分野に合わせて学習体験を設定していける特徴があります。たとえ親などのサポートがなくても学生を引きつけるオンライン教育の実現が可能になります。
パーソナライズド・オンライン・ラーニングは、2025年までに2億5000万ドル以上の成長が見込まれています。
教育者にとって、生徒一人一人へのパーソナライズというのは当然実現したい理想の教育です。それでも人件費や時間の制約によって達成が難しいテーマでした。
しかしAIの利用が教育現場で進むことにより、コストと時間の問題を解決できるようになります。
海外のAI活用事例(米国・英国・中国)
米国を含めその他の国々でAIがどのように教育現場で使われているかチェックしてみましょう。
1.デジタル・ティーチング・アシスタント/バーチャル・チューター
人間の教師に代わるものはありませんが、AIを教師のアシスタント、もしくはバーチャルの教師として活用する取り組みが米国で始まっています。デジタル・ティーチング・アシスタント/バーチャル・チューターとして使用されるのは対話型AIです。
学生が夜に宿題をしていて質問があるとき、対話型AIは情報を提供するバーチャルの教師として働きます。
2.生徒のパーソナルアシスタント
対話型AIは、生徒に授業や教師に関する情報を提供したり、スケジュール管理をサポートしたりします。宿題の締め切りを知らせることもします。
パーソナルアシスタントとして生徒本人が実際の授業を最大限に活用できるようサポートします。
英国の活用事例を紹介します。すでに1200以上の小学校でAIを活用したオンライン教育が行われています。
たとえばロンドンの小中学校ではAI教師として、Third Space Learningが導入されました。採点や学習進捗管理だけでなく、個人の学習レベルをモニタリングし、パーソナライズされたサポートをするためにAIが活用されています。
ロンドンのペイクマン小学校では、放課後に算数のオンライン補修を行っています。算数が苦手な子はマンツーマンの指導を受けられます。
指導を行う教師はインドやスリランカにいる教師ですが、それらの教師は生徒の情報をAIから教えてもらいながら、パーソナライズされた指導を行なっています。
3.多言語チューター
世界の約60%の人々は、2つ以上の言語を話せます。対話型AIは、何百もの言語や方言を話すことが可能です。留学生や移民の生徒が教科書を翻訳したり、授業で使われる用語を理解したりするのに役立ちます。
米国や英国で多く使われている事例です。
4.入学申請・試験アシスタント
米国の大学へ入学する際、多くの学生が申請が複雑すぎるのでミスをします。対話型AIは、オンラインフォームの申請書サイトに常駐し、申請者にプロセスを説明しながら、いくつもの質問に答え、学生が正確に申請を終わらせられるようサポートしてくれます。
さらにAIは試験アシスタントとしても活躍しています。カリフォルニア大学バークレー校では、試験の採点をAIがサポートしています。教師たちはAIが採点できない分野だけに注力できます。
中国も2018年以降、学生の論文を評価するためにAIを活用しています。独立行政法人情報処理推進機構が発行するAI白書2019を引用します。
「中国国内の6万校の教育機関にて、AIによる学生の論文の評価が採用され始めたと報道されている」「作文の全体的な論理や意味を分析し、スコアを付ける。その後、作文のスタイル、構造、テーマなどに対してAIが改善点を提案する」
AI白書2019
5.フィードバックファシリテーター
教師にとって、すべての学生から自分の教え方や教材についてフィードバックを受けることはそう簡単にできることではありません。逆に学生も、教師に近づき自分の成績や進路について正直なフィードバックを受けることを難しく感じます。
対話型AIは、フィードバックを行うための安全で信頼できる環境を作れます。教師や生徒へのフィードバックを、タイムリーに、親しみやすく、共感できる方法で伝えることが可能です。人間に言われるより、AIに言われたほうが受け入れやすいケースがあるのです。
米国メンフィス大学では、AIが学生の成績と履修状況を分析し、進路アドバイザーとして働いています。
日本国内のAI活用事例(東京・静岡・大阪・長野・福岡)
国内でもAIの活用が進んでいます。いくつかのAI活用事例を紹介します。
引用「教育分野における IT 活用が進む中、個人の学習傾向に合わせてプログラムを提供する適応学習(アダプティブ・ラーニング)、解答の採点、学生からの質問の対応などに、 AI を応用する取組みがみられる。」
AI白書2019
適応学習や採点など、各分野における活用事例は以下の表をご覧ください。
具体的に国内の小学校から大学まで、AIがどのように活用されているかチェックしてみましょう。
小学校におけるAIの活用事例
東京都小金井市立前原小学校では、2020年2月からAI教育プログラムの実証授業を実施しました。コミュニケーションロボットを使いながら、プログラミングとAIのディープランニングを自然と学習していける施策です。
加藤学園暁秀初等学校ではAIプログラミングを教えるだけでなく、AIツールを用いた授業の実証実験を行っています。2020年秋学期からAIの授業を開始しています。
中学校におけるAIの活用事例
四天王寺高等学校・中学校では、2018年よりAIトレーニングツール「トレパ」を使って英語4技能の習得をサポートしています。各生徒の発音や英作文のチェックをAIがサポートしてくれます。
高等学校におけるAIの活用事例
長野県軽井沢高等学校や長野県坂城高等学校は、経済産業省「未来の教室」実証事業に選定されました。AI×アダプティブラーニング教材「すらら」を使って、それぞれの生徒が個別にベストな学び方ができるように、また学習において自立していけるようにサポートしています。
AIの活用によって長野県坂城高校では、以前より約40%も短い時間で単元を習得できたと報告されています。教師たちの負担も減っているようです。一単元あたりの教師の授業の準備時間が、約30パーセント減少しています。
大学におけるAIの活用事例
日本経済大学は、2021年度入学試験の一般選抜(オンライン)において、AI「オンライン試験監督システム」を導入しました。AIが試験中の受験者やPCのログを管理してくれます。
近畿大学では2020年より、slackの質問に24時間答えてくれるバーチャル・ティーチングアシスタント for Slackを導入しています。学生がslack上で行なう質問に、AI が24時間いつでも答えてくれます。
学生が新型コロナ感染症に邪魔されずに勉強を続ける上で役立っている仕組みです。
チャットボットの教育現場における限界
教育現場で対話型AIの話をすると、チャットボットのことをイメージする方が多くいます。
たしかにチャットボットは対話型AIの一番シンプルなかたちです。しかも教育現場で最も広く使われている対話型AIです。
しかし米国ではチャットボットを引き続きメインの教育ツールとして使用するには限界があると考えられています。なぜでしょうか。 チャットボットの4つの限界が見えてきたからです。
1.チャットボットは、主にテキストをインターフェースとして使用するため、他の方法で学習したい生徒には効果が少ない。
2.感情的な体験ができない。チャットボットをフレンドリーで親しみやすいと考えている人はミレニアル世代の33%だけで、それ以外は物足りないと感じている。
3.感情を表現することができないため、フラットなユーザー体験になる。ネガティブなフィードバックをしなければいけないときに相手にストレスを与える。
4.個性を表現できない。最も記憶に残り、効果的な教育者に必要なのは、個性。
UneeQ社の調査によると、42%の組織が現在、最大の優先事項として、チャットボットに「より人間的な体験」を加えようとしている。
チャットボットには限界があるものの、使えないツールというわけではありません。教育現場におけるチャットボットのメリットは、利便性、アクセスのしやすさ、簡単な質問に素早く答えられることなどです。
チャットボットの限界とメリットを考え、最新の教育現場におけるAIプロジェクトでは、ハイブリッドなデジタルワークフォースが主流となっています。
デジタルワークフォースとは、人間、チャットボット、対話型AIデジタルヒューマンという3つのチャンネルを組み合わせるものです。
このデジタルワークフォースは、現在は教育現場にとどまらず、小売、金融サービス、ヘルスケア、通信の業界で実践されています。
続いて対話型AIデジタルヒューマンについて考えてみましょう。
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対話型AIデジタルヒューマンとは
対話型AIデジタルヒューマンとは、ビジュアルで人間味のあるコミュニケーションを表現できるFAQシステムです。
声のトーンと表情で8つの感情を表現できます。
幸せ・悲しみ・共感・恐怖・驚き・嫌悪感・怒り・好奇心
SiriやAlexaのような音声アシスタント、テキストベースのAIチャットボットでは表現できない「ビジュアルによる人間味」を表現できるのが特徴です。
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実際に活躍している UneeQ社の対話型AIデジタルヒューマン
海外の教育現場で活躍するデジタルヒューマン(UneeQ社製)を紹介します。
1.デジタル・アインシュタイン
新しい世代がアルバート・アインシュタインという偉大な科学者に関心を持ち、彼の人生と仕事から学べるように開発されたデジタルヒューマンです。
デジタル・アインシュタインが喋っている様子を動画でご覧になれます。
国内であれば、織田信長・徳川家康・伊藤博文などをデジタルヒューマンにして歴史学習を展開していけるでしょう。
2.ソフィー
ソフィーは、CDCとWHOの最新データを使いながら、新型コロナ感染症のニュースを解説してくれるデジタルヒューマンです。パンデミックに関する情報不足から生じる不安を解消するのに役立ちました。
デジタル・アインシュタインが喋っている様子を動画でご覧になれます。
入試前後のストレスが多い学生をサポートするために活用できるシステムです。
3.ミク
ミクは、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の職場教育ファシリテーターです。BCGは、ワーク・ライフ・バランスについて従業員を教育するため、数週間でミクを制作し、パーソナル・アシスタントとして配備しました。
デジタルヒューマンは数週間で制作できるため、季節ごとにさまざまな使い方ができます。学期ごとに開催される学校のイベントや、プロジェクトのサポート役としてデジタルヒューマンを活用することができるでしょう。
対話型AIを教育分野で使う5つのメリット
対話型AIを教育分野で活用する5つのメリットを考えていきます。
メリット1. 人間同士に近いやり取りができる
対話型AIは、システムとシステムを使う生徒との間に、人間的な感覚のインターフェースを介入させます。
単に、音声、テキスト、スピーチを使って情報を検索して提案するだけではありません。感情を表現しながら相手と対話してくれます。
メリット2. 24時間365日利用可能
24時間365日いつでも利用可能です。夜中、早朝、週末、祝日でも生徒がサポートがほしいと思ったときに活用できます。その日の気分による対応が変化することもありません。
生徒は「こんな質問したら嫌がられるかな」「また同じことを聞いたら怒られそう」といった心配をする必要がないのです。余計な忖度をして生徒の学習意欲や進歩が妨げられないのがメリットです。
メリット3. 生徒の学習スタイルに合わせられる
学び方には、テキストベースやビジュアルベースなどさまざまなスタイルがあります。
VARKの方法論では、視覚的なメディアを使った学習が適している人もいれば、まず「やってみることで学ぶ」人もいるとされています。
対話型AIは、画像によるビジュアルベースの学習、テキストやタイピングによる学習、双方向の音声による学習など、学生が得意とする方法を組み合わせながら教えていけます。
しかしチャットボットタイプの対話型AIは、テキスト形式で情報を学ぶのが得意な人にしか効果がありません。音声アシスタントタイプの対話型AIではリスニングが好きな学生には最適ですが、ビジュアルベースで学びたい人には魅力的ではないでしょう。
デジタルヒューマンタイプの対話型AIであれば複数の学習スタイルを提供できます。生徒はデジタルヒューマンの言葉を聞き、UIが提示する画面上のビジュアルやテキストを見て学び、AIや学習コンテンツと対話することができるのです。
メリット4.. デリケートな会話がしやすい
生徒が教師に話したいと思う内容には、デリケートなテーマが含まれるときがあります。また、メリット2でも触れましたが生身の教師に尋ねるには、あまりにも些細なこと、基本的なこと、恥ずかしい内容が含まれるかもしれません。
実際の教師には話しづらくても、対話型AIであれば話しやすい、尋ねやすいということがあります。
一例として、米国のヘルスケア分野では、アバターやデジタルヒューマンが、患者に機密情報の開示を促し、生身の医師が関わらなくても適切なサポートが提供できると観察されています。うつ病の患者がデジタルヒューマンと治療をすすめるために協力的な関係を築けるという成果もあります。
学生のメンタルヘルスケアをするために、対話型AIデジタルヒューマンを活用することができるでしょう。
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メリット5. 教える分野のすみ分けができる
対話型AIを導入することで教師が教える分野、AIが教える分野のすみ分けをすることが可能になります。
「AI が専門知識を学ぶことを考えると、人間が身につけなければならない知識とAI に頼れば良い知識の区別が必要になる。基本的には専門知識は(適宜必要な知識を人間に教育することを含め)AIに任せ、人間はリベラルアーツを身につけることになろう。」
AI白書2019
専門知識はAIが教え、リベラルアーツは教師が教えるということです。リベラルアーツとは、現代の教養のことを意味します。宗教・宇宙・人類の旅路・人間と病気・経済学・歴史・日本と日本人・情報技術が含まれます。
つまりリベラルアーツとは、考え方を教える分野とも言えます。思想や思考の枠組みといった概念を教えることは人間の教師にしかできません。
AIの限界について興味深い事例があります。
マイクロソフトがつくっていたAIが、サイバー攻撃を受けたとき、そのAIがいきなり、イスラム教徒を殺せとか、ハイル・ヒットラーなどと言い始めたという事件があった。それで、マイクロソフトはそのAIを殺す、つまり開発を中止せざるをえなかった。
「コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法 名和高司」より
現時点においてAIはビッグデータを解析し、おそらくこれが世論だろうと判断したことしか教えられません。自ら善悪の判断をすることはできないのです。
しかし人間の教師は倫理について、道徳について教えられます。教育現場へAIを導入することにより、人間が教える分野、AIが教える分野が大きく別れてくることでしょう。
教師は思想、倫理、道徳について深く教えていく時間を持てるようになります。
対話型AIを教育分野で使うデメリット
対話型AIを教育分野で活用するデメリットについても知っておきましょう。
デメリット1. 教師の雇用が失われるとの不安
「教師が今までしてきた仕事をAIがするから雇用がなくなる!」という不安が教育現場に依然としてあることがデメリットです。
どんなにAIが進歩しても教師たちの仕事がなくなることはありません。
生徒とじっくり話し合い、生徒にあった目標を設定し、モチベーションを引き出しながら一緒に時間を過ごすことは人間の教師にしかできないからです。
教師のコーチやメンターとしての役割は、どんなにAI技術が進歩しても変わりません。むしろAIは教師のサポート役として活用されていくでしょう。
デメリット2. 導入時にデータとコストが必要
対話型AIの導入時には、学校がこれまで蓄積してきた教師や教材データをAIに学習させる必要があります。データの数が多いほど精度の高い分析や予測が行なえます。
当然のことながら、導入時には対話型AIのシステム導入コストが発生します。対話型AIを提供するベンダーは複数ありますから、必ずコストと費用対効果を比較するようにしてください。
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デメリット3. 責任の所在があやふやに
対話型AIに多くの仕事を任せたために、トラブルが発生した際の責任の所在があやふやになってしまうことがあります。
トラブル発生時のワークフローを前もって用意しておきましょう。
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補足:米国におけるオンライン教育・通信教育の変革
補足情報として米国におけるオンライン教育・通信教育の変革を紹介します。
1世紀以上にわたり、世界はさまざまな通信教育の出現と成長を目の当たりにしてきました。簡単な時系列で紹介します。
米国のオンライン・通信教育史
1840年代
オンライン学習が一般的になるずっと前に、郵便局が全国規模の通信制大学を開始したことにより、通信教育が導入された
1858年
最初の通信教育の学位を取得。まもなく、ロンドン大学が外部プログラムを導入し、世界初の通信学習者向けの学位を導入。
1950年代
世界的な通信教育の普及。世界の多くの大学がこれに追随。90年代半ばには、アフリカ、オーストラリア、アリゾナ州の大学で、便利な通信教育が開始され、ヒューストン大学では世界初のテレビによる大学の単位認定授業が行われた。
1989年
オンライン・アクレディテーションの誕生。フェニックス大学が、世界で初めて学士号および修士号のオンライン教育プログラムを開始。
1990年代と2000年代
オンライン学習が本格的に普及。インターネットや動画コンテンツの普及を背景に、Webベースのオンライン認定が続々と登場。2003年までに600万人のWebCTによる学生が、55カ国で15万のコースに登録。
2010年代
AIが教育現場に進出。2010年代後半には、AIへの投資が活発化し、管理者の自動化からアバター技術まで、あらゆる分野でAIが活用されるようになる。
2020年代
対話型AI学習の時代。パンデミックから始まったこの10年は、デジタル教育を通じて、何が可能で何が不可能かを教えてくれる。AIを活用したデジタルヒューマンソリューションが加速し、より人間に近い能力でオンライン教育を補強していく。
最後に
AIが教育現場でどのように活用されているのか海外と国内の事例を見てきました。主に使われているAIは、音声アシスタント、チャットボット、そしてデジタルヒューマンです。
教育現場におけるAIの使用目的は、単に業務の効率化ではなく、パーソナライズド・オンライン・ラーニングの実現です。生徒個人に合わせた学習方法、学習環境を提供することが目的です。
「AIをどう活用したらよいかわからない」というときには国内の導入事例などを見ながら、自分の学校に合う活用方法を検討しましょう。
AIを活用することにより、生徒の学習意欲を刺激するパーソナライズされた環境を提供できます。そして人間の教師がコーチやメンターとしての能力を発揮できる環境が整えられていきます。
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