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ハイブリッドコールセンターもうやめる?継続すべき理由とは

Asian businessman talking to colleague team in video call conference writing note on book with smile face. Man using computer laptop and headphone for online meeting. Smart working from home concept.

新型コロナウイルスの世界的な蔓延、そして感染拡大にも波がある中、多くの企業が「ハイブリッドワーク」「ハイブリッドコールセンター」を導入するようになりました。「テレワークにも少なからずメリットがあった」「感染拡大の波が次にいつか来るか分からず、テレワークの廃止時が読めない」など、ハイブリッドワークやハイブリッドコールセンターを継続している理由は様々あるでしょう。 

でも、「正直なところハイブリッドワークはもうやめたい。全員出社での勤務に戻したいし、テレワークのメリットも今ひとつ感じない」、「社員はハイブリッドコールセンターが良いと言うけど、家にいたいだけでは…」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 

とくに経営陣は、ハイブリッドワークの課題に直面することが多く、メリットよりもデメリットの方が大きく感じるかもしれません。しかし、実際のところはどうなのでしょうか。ハイブリッドワークやハイブリッドコールセンターをやめるほどのデメリットでしょうか。解決策はないのでしょうか。

今回は、Cisco社のグローバル調査により明らかとなった、日本でのハイブリッドワークのメリットについてご紹介します。また、メリットを生かしつつ、顧客接点の一つとなる「コールセンター」の運用をハイブリッドで継続する方法をご案内します。 

ハイブリッドワーク継続の意義、ハイブリッドワークへの従業員の意識、課題へのアプローチ方法について、少しでもみなさまの検討過程でお役に立てますように。 

海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、16年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。

ハイブリッドワークの今

新型コロナウイルスを機に変化した働き方といえば、テレワークや時差出勤が代表例でしょう。働き方のパラダイムシフトだったと言っても過言ではありません。 

しかし、Withコロナの浸透や、私たちのコロナ慣れに伴って、テレワークや時差通勤が淘汰されたわけではありません。むしろ、世の中全体として「いかにリモートで仕事ができるか」を考えるようになりました。 

テレワークはハイブリッドワークへと進化し、鉄道業界はオフピークでの通勤を強化しようとしています。テレワーク下でより問題視された「はんこ文化」も、段々と電子化または撤廃の動きを本格化させています。 

この後、詳しく紹介しますが、Cisco社の調べによれば、ハイブリッドワークのメリットは4つあります。 

  1. 仕事のパフォーマンス向上 
  2. 従業員のQOLとワークライフバランスの向上 
  3. 人間関係の改善 
  4. 自己肯定感の向上 

しかし、自社のハイブリッドワーク体制に対して「非常に整っている」と感じている従業員は、1/4程度です。さらに、ハイブリッドワークをより良くするためには、「自社の企業文化と考え方を見直す必要がある」と感じている従業員割合は3/4です。 

もちろん、この記事を読んでおられるあなたの会社がそうであるとは限りません。とはいえ、雇用者側が考えている「準備」と、従業員側が期待している「準備」には、予想よりも大きな乖離がありそうです。 

「雇用側よりも責任の軽い従業員だからこそ、大きな企業変化を容易に期待するんだ」と思われますか?確かに、従業員側には見えない雇用者側事情は数多くあることでしょう。しかし、従業員の感じている「必要」を放置することは、長くない間に離職率へと変換されてしまうのではないでしょうか。 

とりわけコールセンター業界では、ただでさえ問題視される人員不足問題離職率の高さがあります。放っておくわけにはいきません。 

まずは、なぜ従業員がハイブリッドワークを好み、将来にも期待しているのかを、客観的な調査結果として見てみましょう。 

無視できないハイブリッドワークのメリット

ここからは、Cisco社の調査結果を紹介していきます。ハイブリッドワークが、いかに幅広いメリットをもたらしているのかをご覧ください。 

まずは、業務に直結するメリットから。ハイブリッドワークにより、従業員の仕事の質、生産性、知識とスキルは、いずれも40%前後の向上を見せています。職場内の人間関係と態度面でも33%の向上を見せているので、総合すると会社としての成長率はかなりのものではないでしょうか。しかも、どれかが突出して伸びているわけではなく、バランス良く全体が伸びているわけですから、会社としては願ったり叶ったりな成長です。 

次に、従業員の経済的なメリットに目を向けましょう。従業員はハイブリッドワークによって61%(過去1年間と比較)も節約ができているようです。まさかの半分以上の節約ですが、主な節約先としては、通勤費や食費、交際費が挙げられます。この数値があるからこそ、75.2%の人が、転職時に節約を考慮内容に含めると回答しています。「この会社では節約できないな…」と思われると、かなりの転職希望者から論外扱いされてしまうということになります。 

続いては幸福感です。「さすがにプライベートの問題では…」と思われそうですが、意外とそれがそうでもなく…。まず、ハイブリッドワークによって幸福感が高まったとしている人の割合は、71.4%です。これまた非常に高い割合です。勤務体系が柔軟になったことや、通勤時間が減ったことが、高い数値の推進力とのこと。 

その他の調査でも、50%以上の従業員が、身体的、社会的(家族や友人との関係改善)な幸福感が高まったとしており、ストレスが減少しているとの結果も出ています。従業員の心身の健康は、言うまでもなく仕事の成果にも反映されていきます。 

上記のような要素をトータルして、ハイブリッドワークを期待している従業員は70.8%もいます。これは決して無視できない数字です。 

これだけ多岐に渡ってのメリットがあれば、従業員は当然ハイブリッドワークを期待しますし、ハイブリッドワークそのものへの評価も上がっていきます。パラダイムシフトが起きたのも当然と言えるでしょう。 

やめたらどうなる?ハイブリッドワーク/ハイブリッドコールセンター

ハイブリッドワークのメリットを見てくると、仮に全員出社での勤務に戻したらどうなると想像できるでしょうか。もしかしたら、「なぜだか業務の質や生産率や人間関係、従業員の態度が悪くなった…」となるかもしれません。

ハイブリッドワークやハイブリッドコールセンターをやめてしまうなら、 前述したメリットが激減、もしくはゼロになる可能性があります。当然のことながら出社するメリットも多々ありますが、ハイブリッドワークのメリットも無視できないほど大きいと言えるでしょう。

そこで、この2〜3年で会社が良くなったと感じている方は、具体的にいつ頃から良くなったのかを確認されることをおすすめします。もしかすると、ハイブリッドワークを始めた頃くらいなのでは…?やはり、せっかく形にしたハイブリッドワーク…今ここでやめてしまうのはもったいなさ過ぎるようです。

ハイブリッドコールセンターのススメ 

ここまでで、ハイブリッドワークのメリットについて、Cisco社の調査を元にご説明してきました。ハイブリッドワークを継続すると仮定して、ここからはコールセンターでハイブリッドワーク…つまりハイブリッドコールセンターをどう実現するのかという観点で進んでいきます。既にハイブリッドコールセンターを実現出来ている方は、ブラッシュアップのために何ができそうか…という観点でお読みいただければ幸いです。 

まず、ハイブリッドコールセンターを運用していくには、クラウド型のコンタクトセンターシステムが必須です。システムの選定時に覚えておくべき点は2つあります。

上記の点を重視して、自社に合うシステムを探しましょう。この2点は、ハイブリッドコールセンター運営には必要不可欠といえます。 

導入するコンタクトセンターシステムが、シームレスなオペレーター業務を実現出来る仕様であればなお良しです。例えば、日本で盛んに使用されているコミュニケーションプラットフォームであるMicrosoft TeamsやLINEと統合できるシステム。この2つに限らず、自社で使用しているコミュニケーションプラットフォームと、導入を考えるシステムとの連携の可否を確認することも推奨します。 

ハイブリッドコールセンターに必要な高いセキュリティ

ハイブリッドコールセンターに必要な高いセキュリティです。コールセンター業務を在宅で行う際、最も問題視かつ不安視するのはここではないでしょうか。最新のコンタクトセンターシステムは、高性能なセキュリティを搭載していることが多く、セキュリティ機能付きのソフトフォンが内蔵されている製品もあります。 

自社への導入候補製品が、海外からの不正アクセスにも強いかどうか、全体のセキュリティがどの程度のものなのかを、ぜひ比較検討なさってください。 

お客さまのなりすまし、オペレーターのなりすまし、のぞき見を未然に防ぐ方法もあります。お客さまのなりすましは、センターでの業務でもついて回るリスクですが、オペレーターのなりすまし問題やのぞき見問題は、ハイブリッドコールセンターゆえに懸念されるリスクです。 

偽オペレーターに、大切お客さまの個人情報を渡すわけにはいきません。でも、最初からオペレーター側に顧客情報が見えなければ…?そもそも、パソコンの前にいる人が誰かを確認できれば…? 

自社に所属するオペレーターかどうかを顔認識機能で定期的に確認し、オペレーターに顧客データを公開しないまま、お客さまに本人確認をしていただく。どちらも可能です。 

在宅でのコールセンター業務だからこそ発生するリスクは確かに存在します。同時に、特異なリスクを回避するためのソリューションもたくさん出ていますので、自社が特に不安視する問題を解決できる製品をぜひ探してみてください。 

継続すべきハイブリッドコールセンター

ハイブリッドコールセンターの設備を整えることは決して簡単ではありません。まして、それを継続するとなれば、それなりのコストがかかってくることも否定できません。 

しかし、コロナ禍で急ピッチに仕上げたハイブリッドコールセンターを見直すなら、今がベストタイミングだとも言えます。感染状況が若干の落ち着きを見せ、Withコロナの動きも強まっている今だからこそ、荒削りだった部分をブラッシュアップするにはうってつけです。 

そして、コロナ禍を抜けてきた多くの企業が、ハイブリッドコールセンター実現に焦点をあわせたソリューションを用意しています。また、コールセンターに限らず、ハイブリッドワークをある程度攻略済みの企業情報も多々出てきています。 

ロールモデルになるような企業や働き方があるからこそ、今のうちに自社をブラッシュアップし、いわば「攻略組」に遅れないように会社を変えることができます。 

最後に

新型コロナウイルスの蔓延は、働き方の面で世界的パラダイムシフトを起こしました。その結果ニューノーマルが生まれ、私たちはそのニューノーマルについて行かなければならなくなりました。「オールドノーマル」に戻ることはできません。 

ご存じの通り、パラダイムシフトが世界的に起こることは非常に稀です。私たちが草の根的に起こそうとしても、それが世界にまで広がることはまず難しいでしょう。しかし、私たちが望もうと望むまいと起きてしまった今回のパラダイムシフト…これはもうチャンスと思って乗っかるしかない! 

世界で起きたパラダイムシフトを会社でも。それこそが、アフターコロナで生存・成長できる会社かどうかの分かれ道になるのではないでしょうか。とはいえ、温故知新の心は忘れずに。これまでのやり方がダメになった/使えなくなったわけではありません。これまでの良かった部分を残しつつ、それを新しいやり方へと昇華させていければ理想です。 

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