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緊急コールセンター開設|セキュリティとコストを考えたクラウドという選択肢

パンデミックにともなって、あらゆる場面で加速したクラウドシフト。コールセンター業界も例外ではありませんが、今後はさらなるクラウド化が予想されています。

一方で、クラウドシステムのコスト変動やセキュリティ面での懸念により、オンプレミス型への回帰傾向が見られていることも否定できません。

この記事では、「緊急コールセンター立ち上げ」の観点から、クラウド型コールセンターシステムが本当に良い選択なのかについて解説していきます。

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緊急コールセンター開設にクラウドが良いワケ

コールセンターシステムにおいて「クラウド型とオンプレミス型のどちらが良いのか論争」には終わりがありません。各企業が求めるセキュリティや、導入およびランニングコスト、機能などによって向き不向きが変わるからです。

「緊急コールセンター」の開設や、BCP対策の観点ではどちらが良いのでしょうか。

結論から言えば、クラウド型コールセンターシステムの方が適しています。主に以下の3つの要素からクラウド型が推奨されます。

とはいえ、クラウド型コールセンターシステムは、ライセンス料によるランニングコストや、セキュリティ面での懸念が付きものです。最近では、各地で起きているインフレや金利上昇の影響を受けて、クラウド運営にまつわるコストが変動しています。これはクラウド型特有のデメリットと言えるかもしれません。

それでも前述の3つのメリットを軸として、「緊急コールセンターの開設やBCP対策においてクラウド型コールセンターシステムが有利である」と結論できる理由について説明します。

そもそも「緊急コールセンター」が必要になるのはどのような場面でしょうか。

真っ先に挙げられる場面としては、災害や医療系の緊急対応です。この5年ほどは、新型コロナウイルスのパンデミックや、それに伴うワクチン接種の受付・相談、地震や水害などの災害発生時の緊急対応などが相次ぎました。

もっとも記憶に新しいところでは、今年の元日に起きた能登半島地震でしょう。この震災にまつわる緊急対応としては、石川県が地震発生のわずか14日後に1.5次・2次避難窓口に関するコールセンターを開設し、スピード対応を実現しています。

さらに、リコールや情報漏洩といったインシデントが生じた際の緊急対応も想定されます。

いずれの場合においても、不測の事態において「応対を止めない」ことはもちろん、一刻も早く「緊急コールセンター」を立ち上げなければいけないさまざまなケースが想定されます。

緊急コールセンター開設のようにスピードを重視する際、「導入に必要なものはインターネット環境のみで、場所にとらわれない」という特徴をもつクラウド型は有用です。

物理的な制限を受けないからこそ、リモートオフィスや在宅、複数拠点というセンターの環境を活かせるからです。近年の自然災害の増加やパンデミックの脅威、ひとつひとつの顧客対応に求められるスピード感の加速を考慮すると、クラウド型がもつメリットは非常に大きいと言えます。

能登半島地震を経験した3社(アルティウスリンク金沢センター、ウェルオブ・ワーク金沢CRMセンター、プレステージ・インターナショナル富山BPOタウン)は、「コールセンタージャパン」2024年4月号の記事において「速さ」の重要性を改めて強調しました。記事の中では、実際に取り決められていた運営として「ベテラン社員によるテレワーク対応への切り替え」「24時間以内に他拠点への業務移管」などが挙げられています。ウィルオブ・ワークの全拠点を統括する中村吾武氏は、「応対をいかに止めないかが重要と実感した」と述べています。

被災地におけるコールセンターの実体験を考慮しつつ、緊急時に備えて同様の対応力を目指すのであれば、やはりクラウド環境が適しています。

追記:クラウドシフト加速の可能性:NTTのPSTN廃止

2024年1月より、NTTがPSTN(公衆交換電話網)を廃止している現在利用中の固定電話機や電話番号が使用できなくなるわけではないが、一部仕様変更になったり、利用ができなくなったりするものがある。たとえばオンプレミスのPBXの保守期間の満了、後継機種の終了などが該当する。「コールセンタージャパン」2024年4月号で、デロイト トーマツ ミック経済研究所の主任研究員である竹田啓一氏は、PSTN廃止に伴ってクラウドPBXへの移行が加速し、2027年にはクラウドとオンプレミスの比率がほぼ拮抗する予想している。新型コロナウイルスのパンデミックを機にクラウドシフトは加速したが、今後はコールセンターシステムのクラウドシフトも加速化が見込まれる。

緊急コールセンター開設のために押さえておくべきポイント4つ

ひとことに「緊急対応ではクラウド型が有利」「開設の速さが重要」と言っても、「クラウド型で速ければ何でも良い」というわけではありません。緊急時でも以下のような条件はないがしろにできないからです。

ここからは、これらの条件を押さえつつ、クラウド型コールセンターシステムの選別時にチェックするべき4つのポイントを紹介します。

ハイセキュリティ

自治体や医療、保険、金融といった業界では、とりわけ機密性の高い個人情報を取り扱うので、高いセキュリティが必要不可欠です。どのような緊急事態であれ、連鎖的に生じる情報漏洩といった二次被害は避けなければいけません。そのため、検討しているコールセンターシステムがどのようなセキュリティ基準に準拠しているかを必ず確認しておきましょう。

高い拡張性

緊急対応だからこそ、対応チャネルの増強や、レポートのカスタマイズといった「拡張性」が必要となります。急を要する際に企業や自治体のコールセンターに「つながらない」という事態を防ぐために、電話以外のチャネルに急遽対応する可能性があるからです。

クラウド型のシステムは「オンプレミス型と比べてカスタマイズ性に劣る」と評されがちで、クラウド型の代表的なデメリットとされることは少なくありません。そのため、「システムあるいはベンダーが対応チャネルの多様化に迅速に対応しているか」「レポートはどのようにカスタマイズできるのか」などを事前に確認すると良いでしょう。

また、現在は瞬く間にAI技術による付加価値が市場投入されたり、業務の効率化が加速したりしている状況です。コールセンターがプロフィットセンター化していく追い風が吹いています。拡張性の高さは、新たな技術を活用しながら追い風に乗っていく上で重要な要素となります。

CRMツールとの連携

CRMツールと連携できるコールセンターシステムは決して珍しくありません。しかし、自社が現在あるいは今後使用するCRMツールがシームレスに連携できるかは重要です。

たとえば、リコールや情報漏洩への対応時に相手の顧客情報が分からないと想定してみてください。お客さまがどのような顧客なのか(カスタマージャーニーにおける顧客の現在地、サービス/製品の購入・利用状況など)を把握できないとすると、顧客満足度を著しく低下させるリスクが高まります。完全なる顧客離れの可能性を否定できません。

基本的な応対品質を落とせないことはもちろんですが、不測の事態だからこそ平時以上に既存顧客や地域住民からの信頼の維持に努めなければいけません。そのため、これまで蓄積している顧客/住民データを活かしながら、迅速かつ的確で誠意ある対応がより重要となります。

導入実績

「どの程度の規模感のコールセンターをどれほどの期間で立ち上げたか」という導入実績は、実際の導入ビジョンや活用ビジョンを鮮明にする点で有効です。加えて、スピード開設を実現できるシステム的スペックがあるかどうか、ベンダー側がノウハウやナレッジをもっているかどうかを確認できる方法の一つです。

緊急対応を視野に入れるからこそ、「最短○日で実用可能」といった文言だけでなく、実際の導入・稼働実績があるかどうかを確認しましょう。

緊急コールセンター開設に向いているコールセンターシステムを紹介

ここまでで、コールセンターシステムの選別時に押さえておくべき4つのポイントを説明しました。最後に、4つのポイントを踏まえつつ緊急コールセンター開設に向いているコールセンターシステムやサービスの具体例をいくつか紹介します。

Bright Pattern

【特徴】


【厳選比較】AVAYA・Genesysだけじゃない!?コンタクトセンターシステム6選 - オムニチャネル・クラウド型コンタクトセンターシステムBright Pattern

BIZTEL

【特徴】

株式会社ベルシステム24「緊急コールセンターパッケージ」

【特徴】

アルティウスリンク株式会社「緊急コンタクトセンターサービス」

【特徴】

最後に

災害を含め、リコールや情報漏洩といった緊急事態は起こらないに越したことはありません。とはいえ、誰にも予測できない事態だからこそ万全の対策をしておく必要があります。

緊急対応が企業・自治体への信頼や満足度を上げることもあれば、著しく下げることもあるからです。場合によっては人命に関わるので、最低限の対策のみで終わらせることはできません。

緊急コールセンターの開設を視野に入れたシステム的環境作りはもちろんこと、日頃からのBCP対策も今一度見直しましょう。多くの場合、BCP対策において「やっていてよかった」はあっても、「やりすぎた、やらなければよかった」ということはないからです。

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