「オムニチャネルとは何ですか。」
これは顧客サービスの分野で度々聞かれる質問です。
一般的な専門用語と同じように、「オムニチャネル」という言葉にもいろいろな定義の仕方があります。ただし、「オムニ」と「チャネル」それぞれに焦点を当てるとき、この語がどのようにカスタマーエンゲージメントに当てはまってくるか、明確に把握することができます。
「オムニ」は、“すべて”もしくは“すべてを包含すること”を意味します。
一方、この場合の「チャネル」は、顧客とベンダー間で使用されるアクティブな通信経路のことを指し、これには、音声、チャット、電子メール、SMS、ビデオ、ソーシャルメディアなどが含まれます。
デジタルチャネルが増え続けるにつれ、企業はチャネルの移行に際して、顧客との間でコミュニケーションが分断・分散しないようにする、という課題に面しています。
そこで、真のオムニチャネル環境が解決にあたります。
お客さまの問合せ手段が多様化するなかで、コールセンターのオムニチャネル化が注目されています。しかし「うちのコールセンターはいろいろな問合せ方法に対応している」「すでにオムニチャネル化している」と考えるかもしれません。じつはオムニチャネルとともに、マルチチャネルという仕組みがあります。今回はまず2つのチャネルの違いについて考えます。その後、オムニチャネル化を実現する方法を3つ取り上げます。オムニチャネルで陥りやすい失敗例も紹介します。最後には、オムニチャネルに必要なコンタクトセンターシステムの機... コールセンターをオムニチャネル化させる3つの方法|失敗例も紹介 - TPIJ by CBA |
では、上記に上げたようなチャネルそれぞれにおける、企業とカスタマー間の接続について考えてみましょう。
現在のコールセンターでは、それぞれのチャネルにおいて使用するシステム、インターフェイスやデータベースが独立していることが少なくありません。そうした構成は、現在のコンタクトセンター環境では最も一般的なものとなっています。
このような、それぞれのチャネルが関連しあうことのない方法は、「マルチチャネル」と呼ばれており、このような構成で運営している企業は、通常、チャット・メール・通話など、チャネル毎にオペレータをグループ分けしています。
コールセンター業界でよく起きるのが「良かれと思って取り入れたものが、かえって問題を大きくしてしまう」「答えだ!と思ったものが、より一層の疑問を生み出してしまう」という現象です。コールセンター運営やCX向上の施策を実践するうえで、とくにこれらの現象を経験することがあるかもしれません。たとえば、コロナ禍で「従業員の能力向上のために採用したソリューションが、実は顧客と企業間のコミュニケーションを阻害していた」と感じたコールセンター管理者の方は多くおられます。同時に多くの企業が、人材や業務プロセスの最... 【2022年】コールセンター業界の動向をCCW市場調査から分析 - TPIJ by CBA |
オムニチャネルは、別々の通信経路を統合するので、複数のチャネルを選んだ場合でも、顧客は無理なくコミュニケーションを移行できます。チャネルが急に変わっても、情報は維持されるので、顧客が同じ内容を何度も繰り返す必要はありません。これにより不快にさせる要因を排除でき、コンタクトセンターの業務効率と顧客満足度が向上します。