パンデミックの影響が徐々に薄れるにつれ物流業界のニーズが急増しています。消費の活発化に伴い物流への負担が増えているのです。世界の物流業界は以下の状況に直面しています。

  • 物流業の40%は在庫不足、在庫切れに悩まされている
  • 56%は取引先との再交渉を余儀なくされている
  • 68%が代替調達ルートを見つけようとしたが失敗
  • 5%が営業停止

結果として、物流業界は今までにない6つの課題を抱えています。

  • 従来のリードタイムが通用しない
  • 配送の遅れが常態化
  • 運賃と配送料の上昇が止まらない
  • データの管理と追跡が複雑化
  • より高いコンプライアンスが求められる
  • 品質管理と欠陥管理のプレッシャーが高まっている

上記の厳しい現状や課題に対処するには物流DXが欠かせません。海外を初め、日本の物流業界は続々と最新テクノロジーの導入を進めています。物流テック、ロジスティクス4.0という流れが加速しているのです。

今回は、世界の物流業界が導入を進める物流DXの3つのトレンドを紹介します。

海外の最新コールセンターシステムやデジタル・コミュニケーションツールを、15年間にわたり日本市場へローカライズしてきた株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニューが解説します。

物流DXが必要な理由

物流DXとは、ITテクノロジーを活用してサプライチェーンを変革することです。ITテクノロジーの導入が遅れるほど企業はリスクを抱えます。

ハーバード・ビジネス・レビューのレポートでは、物流業界の今後について次のように分析されています。

従来のサプライチェーンの仕組みは今後5年で滅びる。以前のシステムは、シームレスなオペレーションを実現する現代の自動化ソリューションに取って代わられる。

物流業界のDXを推し進めなければ、これからの市場ニーズに対応できません。では各企業はどのようなテクノロジーを導入しているのでしょうか。物流DXのトレンドは3つあります。

  1. マルチチャネル対応
  2. AI
  3. 自動化

それぞれのトレンドについて解説します。

マルチチャネル対応

物流業界のサプライチェーン部門は、お客さまからのさまざまなチャネルによる問い合わせに対応しなければなりません。

  • 電話
  • 電子メール
  • SMS
  • チャット

多くの企業は、すべてのチャネルに対応できるようマルチチャネルのサポート体制を整えています。

効率的なマルチチャネルサポート体制を作るのに大切なポイントは、すべてのチャネルからの問い合わせを一つの受信トレイに集約することです。

チャネル対応のよくある失敗は、チャネル間の情報が共有されないことです。

どんなに扱うチャネルが増えても、「誰が」「いつ」「どのチャネルで」「どのように」対応したかが一目瞭然になるようにしましょう。最新の問い合わせ管理システムは自動でマルチチャネルの情報共有化をしてくれます。

AI

人工知能(AI)と機械学習(ML)は、、物流業界に変革をもたらしています。扱うデータが増えると人間はデータを分析するのに苦労しがちです。膨大なデータの中にある共通項やよくあるパターンを見つけるのに苦労します。しかしAIなら問題ありません。

AIは日々の業務で集約されるデータを分析し、作業効率化のヒント、高品質なサービスの提供、低コスト化、生産量の増加に必要な情報を教えてくれます。

AI機能を搭載した問い合わせ管理システムでは、3つのことをAIが行なってくれます。

  • 問い合わせの分類
  • データ抽出
  • 返信案・ナレッジ・過去の類似回答の表示
問い合わせ管理システムのAI機能ができること3つ

自動化

物流DXの別のトレンドは自動化です。自動化に必要なことは2つだけです。

  1. 時間がかかる工程の洗い出し
  2. 工程の自動化作業

たとえばどのような作業を自動化できるでしょうか。

  • 手作業でしていた事務処理
  • 在庫管理
  • 生産ラインのチェック
  • 出荷処理

バックオフィスでの作業も自動化できます。多くの企業は、配達注文、船荷証券、海上運送状の作成を自動化しています。

輸送管理も自動化で効率アップが可能です。AIがトラックや輸送中の製品を追跡し、潜在的な遅延を洗い出してくれます。担当者は遅延の原因を分析することで、納品スピードのアップ、コスト削減、ルートの最適化を達成できます。

ノーコードで使える問い合わせ管理システム

自動化と聞くと「難しそう」と感じるかもしれません。しかしノーコードで自動化が設定できる問い合わせ管理システムであれば、現場レベルで自動化を行っていけます。

物流DXのメリット7つ

物流の現場へテクノロジーを導入するメリットは7つあります。

  1. 運用効率の最適化
  2. コスト削減
  3. ヒューマンエラーを最小限に抑える
  4. 配達のスピードアップ
  5. 配達の遅延を改善
  6. 生産性を最大化
  7. パフォーマンスをリアルタイムで測定できる

上記のメリットを考えると、DXのために予算と人のリソースを割くことが必須であるとわかります。

最後に

物流DXのトレンドはマルチチャネル対応、AI、自動化です。最近では一つの問い合わせ管理システムだけでこれらを実現することが可能です。

物流DXを推し進めることで、運用コストを削減し、収益を増やせます。運用の効率化が進むことで顧客満足度の向上も実現できます。

最適なテクノロジーを導入して、ビジネス目標を確実に達成してください。そして新たな時代の勝者になってください。